「ダウン症×1,000の仕事を創る」プロジェクトが目指す、人があたりまえに感謝され生きられる世界【連載1回目】

本連載では、ダウン症をはじめとした障がいを持つ方々が家族や企業と連携し、彼ら自身がリーダーとなって様々な社会課題解決に取り組みながら「本人と親の自立」を目指すプロジェクト「Well-Beingプロジェクト」についてご紹介させていただきます。

本記事の原稿は、Well-Beingプロジェクトを進めている株式会社チェリーブロッサムの中尾剛代表取締役に寄稿していただきました。

企業に対して一定割合以上の障がい者の雇用を義務付ける法定雇用率が2018年に引き上げられ、障がい者雇用についての関心は高まっています。一方で、離職率が高い、採用されても能力を発揮できない、等の課題も問題視されています。
本連載では、障がいを持つ方のこれからの働き方や自立の在り方についてお伝えします。

(グーテンブック編集部)

ダウン症の方を取り巻く社会を変える!Well-Beingプロジェクトが目指すこと

Well-Beingプロジェクトは新しく1,000の仕事を創ります

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はじめまして。Well-Beingプロジェクトを進めている株式会社チェリーブロッサムの中尾と申します。

Well-Beingプロジェクトでは、ダウン症をはじめとした障がいを持つ方々ができる新しい仕事を1,000個創ることを目指しています。障がいを持つ方が、親&企業&社会&地域と力を合わせて、従来の就職や働き方の概念に捉われない新しい仕事を創り、自身を取り巻く社会を変えていきます。

最近は企業の障がい者雇用も進みつつありますが、その多くは法定雇用率としてカウントされる条件となっている週30時間以上の労働が求められますし、特技の発揮より勤勉性や繰り返しの作業ができることが重要とされています。
こういったケースでは、安定した収入や社会的立場が約束される一方で彼らの強みが発揮できない場合もあり、ドロップアウトする方も多く存在します。
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そこで我々は従来の働き方や企業に就職するという概念に捉われない(短時間やそれが仕事?と思うような事もあって良い)、彼らの力が存分に発揮できる仕事を創り出します。
そして、ダウン症をはじめとした障がいを持つ方々が毎日社会から必要とされ、イキイキと働ける社会を創っていきます。

これは弊社1社では到底辿り着けないので、共に挑戦する全国の障がいを持つ方々&親&企業&社会&地域の皆様と力を合わせて挑戦していきます!

このプロジェクトを始めたきっかけ

私は大学を卒業後、大手ガス会社に就職して9年働き、その後外資系生命保険会社でトップ営業マンのMDRTとして4年間働きました。昨年、株式会社チェリーブロッサムを立ち上げ、代表として当プロジェクトに専念して、現在に至ります。

「出世街道を突き進む」「個人事業主として収入を大幅にアップさせる」をどちらかと言えば求めていた人生から、「子供たちの世代に誇れる社会を遺す!」人生に180度展開しました。

このきっかけをくれたのが子供たちです。私には3人の子供がいますが、次女の咲良(さくら)がダウン症児として産まれてきました。当事者として「現在のダウン症児を取り巻く状況を変えたい」、「誰かに社会を変えてもらう他責で願うのではなく、自分の責任で世の中を変える!」、その想いで当プロジェクトをスタートしました。

ダウン症を取り巻く、本人視点と親視点からの2つの課題

ダウン症児の親としてまだ2年少しと経験は浅いですが、本人や親を取り巻く環境についての主な課題は2つあると考えています。
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人生の選択肢の少なさ、生きている中で社会との関わりや感謝される機会が少ない

親としてまず感じたのが選択肢の少なさです。

私自身、子供の成長は、幼少期から習い事をして、塾に行って、部活をして、受験をして大学行き、就職して、結婚して子供を産むというのが当たり前であると思っていました。長女が生まれた時には子供の将来の無限の可能性を毎日夢見る生活でした。

一方で、ダウン症児として産まれてきてくれた次女咲良の場合には大きく異なります。

習い事も障がいがあるという事で断られる事が多く、幼稚園入園ですら大問題になります。学校は近くの公立小学校か支援学校へ。そして、バイト経験や部活経験もほぼできないままに18歳以降は社会に出て、近くのB型事業所で働く。
もちろん1人1人異なりますが、運が良ければ10%未満の確率で、能力やご縁によって最低賃金がもらえるA型事業所や、一般企業の特例子会社で働くのが一般的です。

また仕事内容も、どちらかと言えば軽作業など単純作業の繰り返しが多く、社会やお客様から直接感謝される機会が少ないため、仕事での達成感を味わいにくい環境です。

障がいがある方の低賃金問題もよく社会問題とクローズアップしますが、こちらについては思ったほど過度の心配は不要であるとわかって参りました。
福祉制度が充実していて、幼少期には特別扶養手当・成人してからは障害者年金がもらえます。また選択肢が少ない裏返しのメリットとしては、習い事費用や塾代、私立の学校代、大学の学費が掛からないという側面もあります。
※もちろん子育ての面においては、すぐにできない事が多く、同じ事を何度も伝えるので何倍もの負担があり、心折れそうになる事の連続です。

つまり、「日々の生活に張り合いはないが、福祉制度の元、何とか細々と生きる」事は可能となっています。最初は本人の自己実現を追いかけるも、ある一定の年齢を超えると、親や本人も諦めの気持ちが強くなっていきます。そして、社会との関わりを減らして生活するようになる傾向があると感じます。

最大の課題は、「経済的にはなんとか生活していけるが、人生の選択肢が少なく、自己実現や社会から必要とされていると感じて生活する事が少ない」事であると私は考えています。

親も日常から「すみません」と周りに謝る事が多い人生になっている

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