【マネジメント】「インテルで学んだグローバルリーダーシップ論」 第6回:コーチングで実現するリーダーの自己変革

今注目を集めている、マネジメントコーチ(経営者コーチ)。インテルにて、オペレーション部門全般から、技術標準・新規事業開発など幅広く15以上の職務を歴任され、現在は複数の企業やエグゼクティブのマネジメントコーチとして活動される板越正彦さんによる連載です。第6回は、「コーチングで実現するリーダーの自己変革」です。 前回では、グローバルリーダーが受けるコーチングの「具体的ステップ」についてお話ししました。今回はその「振り返り」によって自分の行動変革すべきところを見つけ、優秀な人が、より優秀に変革できた具体例を挙げていきたいと思います。まずは大企業編。最初から完璧な人はいません、キャリアにおけるステップアップの中で行動変革が必要になります、そうした変革を促進するコーチングですが、今回はそのようなタイプ別の行動変革の様子を掲載しました。

その他の事例としては、大学の医学部准教授でもコーチングを活用しています。「仕事が多すぎるので整理したい」、「自分がやりたいことをうまく説明したい」といった要望での活用でした。

プレゼンテーションの改善は、外から指摘されるよりも、自分の話し方、目線、 メッセージ、フォイルのまとめ方などを、ビデオで録音し、自分で気づいてもらうことが効果的です。さらに、コーチにプロジェクトの内容を話していくことで自分の中で整理がなされ、冷静にリーダーシップを意識するようになります。多すぎる業務についても、自分のアプローチの仕方、意味づけの仕方次第でどうにでも変えることができる意識が芽生えました。

積極的になる。

競争に消極的な社員の変革

コーチングはエクゼクティブ向けのみのものではありません。グローバル会社のある若手新入社員は非常に穏やかな性格で、グローバル企業 での競争や成果主義には消極的でした。成長意欲はあるものの、自信がありませんでした。

コーチングを受け、数ある行動目標の選択肢の中で、彼女が選んだのは、「会議やセミナーでは一番前に座り、一度は質問する」と「新人でありながら社内レクリエーション活動の代表になる」でした。こういった非常にシンプルな行動目標が、シンプルであるからこそ非常に効果をもたらします。

この行動を続けた結果、周りの中堅社員よりも目立ち、自信を持ち、昇進することができました。本部のCEOが来た時にも、的確な質問を堂々として、日本の社長からも評価されました。最終的には、自分のためよりも、まわりの人の成果をあげるのに貢献したいと悩んだ結果、サポート中心で仕事をできる会社に移って行きました。自分が本当にやりたくて、心の幸福を保てる環境を選んで、そこに移るための決断の後押しができました。このようにコーチングは時として、今いる環境に限らない自分のキャリアの選択肢を開いてみせる効果ももたらします。

「バカ」よばわりする。

誰もがコーチングで変われるわけではない

こちらは、「振り返り」をしなかった例です。日本の企業ではこのケースが非常に多いです。ある営業本部長は、上司・顧客との関係構築に献身して、新規開拓営業などで実績をあげ昇進してきました。しかし、自分の部の部下だけを特にかわいがったり、他の部門長を「できない奴」や「バカ」よばわりするのがやめられなかったので、関連会社に出されてしまいました。そして、そこでも同じように、えこひいきが強くダメになりました。自分の過去の成功体験を捨てられなかったのです。

こういった人に、自分のエゴやプライドをおさえることで、もっと上のレベルの責任と、まわりからの信頼を得られる機会が得られることを理解してもらう手段としてコーチングは効果的ですが、誰もが変わることができるわけではありません。

この他にも、「敬意を表さない」、「自説にこだわる」、「周囲を責める」、「感謝の気持ちがない」、「自責で考えない」などの行動習慣が治らないと、周りがリーダーを支えようという雰囲気になりません。

次回は、こう言った振り返りとコーチングによって気づき変わることができたリーダーの具体例の中で、スタートアップなどのベンチャーでのケースをまとめたいと思います。スタートアップには、自力で起業して儲ける仕組みを作れるクラスの最高人材ゆえに若くて優秀な人が多いです。それゆえに、組織とインフラの成長フェーズと、リーダーシップの行動のギャップが認識されていないと、致命的になる場合があります。 認識されると行動は早いので、もっともコーチングの効果が高いセグメントでもあります。優秀な人ほど、改善する時間と、コーチングする時間が反比例して、短い時間で効果が出ます。
(次回へ続く。本連載は週1回の更新を予定しています。)
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