大前研一「イタリアの地方産業が強い理由。産業別クラスターとコーディネーターという仕組み」

【連載第5回】鞄や家具などのものづくり、ファッションやオペラなどの文化。歴史的建造物が連なる町並みや穏やかな農村。国のいたるところに文化と産業が息づく町があるイタリア。国家財政・社会情勢が悪化する中、なぜイタリアの地方都市は活気に満ちているのか。イタリアに日本の課題「地方創生」解決のヒントを探る。

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デザイナーの意見を聞く、顧客の意見も聞く、それらをさらに生産者に伝える、新しいニット素材を採用してくれそうなデザイナーを探して呼んでくる。それがコーディネーターの役割です。
ですから、コーディネーターの意義を考えるとやはり、何十年という経験が蓄積されており、顧客や生産者に顔をよく知られているということは、非常に重要なファンクションなのです。カルピにはそのようなコーディネーターがしっかりと根を張っているということです。

ただ、価格競争の波が押し寄せる中で、カルピでも生産拠点の国外移転などが進んでおり、カルピのニットおよびアパレル製品のうち「100% Made in Italy」である割合は現状では40%ほどです。
そして、カルピの中で縫製工程を担う企業は、ほぼすべてが中国人経営だと言われています。そのような流れの中で、今後コーディネーターの役割は少しずつ変容していくことでしょう。
(次回へ続く)
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グーテンブック編集部 グーテンブック編集部