【先生方の座談会】取り組みを振り返って見えてきた、オンライン教育の課題と未来。学校、家庭はどうSHIFTしていくのか?(最終回)

2020年3月、突然の休校により一変した教育現場。子ども達が奪われた「学びの場」を取り戻すため「オンライン学校」という新しい教育プロジェクトが立ち上がりました。既存のe-learnigとは異なり、リアルタイム配信、学びの本質の追求、双方向のコミュニケーションにこだわった画期的な取り組み。Withコロナの時代、これまでの学校と家庭の役割を見つめ直し、新しい教育の在り方を考えるきっかけとして、この記事を広く活用していただけることを願っています。

本記事の原稿は、コロナで学校の休校が始まった2020年4月に開校した、オンライン上(Facebook)で学校を提供するプロジェクト「緊急開校 オンライン学校」の立ち上げメンバーの方々に寄稿していただきました。
休校によって子どもたちが自宅に閉じ込められ、生活リズムと学びの習慣が失われていることに危機感を持って集まった有志によるこのプロジェクトは、最終的には延べ1000名を超える参加者を含む、大きな活動の輪となりました。
本記事を掲載する現在、多くの学校は再開していますが、このプロジェクトで実施された様々な学びの企画・実験は、今後の子どもたちの学びや教育を考えるうえで重要なヒントを多く含んだものになっていると考えております。

連載最終回の今回は、オンライン学校を終えた振り返りをしていただきました。

「緊急開校 オンライン学校」Webサイト
https://peraichi.com/landing_pages/view/online-school

(グーテンブック編集部)

オンライン学校を終えての座談会

「オンライン学校」は、5月末で一旦その活動を終えましたが、取り組みを通して「学びの場」を得たのは子ども達だけではありませんでした。登壇された先生方、親御さん、そして社会に関わるすべての方々にとっても、これまでの教育を捉え直すきっかけとなる取り組みだったのではないでしょうか。

この記事では、活動を終えた先生方に座談会として集まっていただき、その活動の振り返りや反省点、これからの教育への思いなどが語られた内容をまとめています。活動を通して見えてきた、学校教育と家庭教育の未来。新しい教育へSHIFTする第一歩として、多くの方に一緒に考えていただくきっかけとなることを願っています。
 (5854)

*座談会参加者(五十音順)
石島 涼麻(算数・数学担当)
及川 政孝(オンライン学校 主宰)
岡田 春佳(国語担当)
香坂 公嗣(オンライン学校 主宰)
斉藤 陸(社会科担当)
杉山 かおる(理科担当)
西田 大樹(理科担当)
宮園 順光(英語担当)

「教える内容」の振り返り

ー授業で教える内容を考えるにあたたって、いろいろと悩まれたと伺っています。具体的にはどのように考えられていったのかを教えてください。ー

石島:私は算数と数学を担当しました。授業をやってみて、学校で学習する内容と、僕達が伝えたいメッセージの部分(学びの本質)を組み合わせて伝えるのはすごく難しかったですね。いちばん最初は算数の授業だったのですが、算数の内容についていろいろと調べて、子ども達がつまずきやすいポイントを分析しました。それを片っ端から指導していった感じです。

岡田:私は国語を担当しました。もともと国語が嫌いだったので、最初に思ったのは、今まで自分が習ってきたような国語を伝えるのは嫌だなということです。文章や国語を本当の意味で理解しないとつまらないし、国語はいろいろな勉強の基礎になる要素がすごくあるということに、大人になってから気付いて。だから、それを子どものうちから少しでも親しめるように、という思いのもと授業の内容を考えていきました。勉強っぽくない勉強の仕方で国語はやりたいかな、という感じですね。

「教える方法」の振り返り

ーオンライン配信ならではの「教え方・伝え方」を数多く取り入れられていたかと思います。どのような思いのもとに考えられていったのかを教えてください。ー

西田:理科の内容に関しては、実際にやって見せる実験を取り入れました。1回目の授業では、野菜が浮くか浮かないかという実験で、水槽があったほうがやりやすいのですが、家でやるには大がかりなものになってしまいます。そこでそれは見せる実験として取り入れました。

宮園:英語を教えてきた経験自体は17年ほどあるのですが、やはりオンラインで教えるという経験はなくて。かつ相手が見えないじゃないですか。そこがすごく難しかったです。英語の場合は会話のキャッチボールをしたり、練習してもらったりする必要がありますが、その反応が見えないので、つまずいているのどうかがかわからないんですよ。

ーリアルで授業をされるよりも、オンラインのほうが大変だと感じられた点について、詳しく教えてください。ー

宮園:何よりプレッシャーになったのが、参加してくれた子ども達の期待に応えられているかという点です。英語って、中学校で英語を学習し始めて、文法が嫌いになって英語嫌いになったというパターンをよく聞くじゃないですか。私が教えることによって、英語っていうものが難しいと感じてしまわないか、その不安が結構大きかったですね。

杉山:私は普段の仕事でZoomでの授業は行ったことがあるのですが、ライブ配信というのは教える方法の中でいちばん難しいなと感じました。やはり、反応が見えないというところですね。コメントとしては見えるんですけど、思ったようなコメントが上がってこない場合には、本当に伝わっているのかな?という迷いを感じることもありました。
28 件

この記事のキーワード

この記事の書き手

グーテンブック編集部 グーテンブック編集部