日常生活から蓄電する「エネルギーハーベスティング」【スマホでサンマが焼ける日】

【第2回】電気・エネルギー業界は今、50年に1度の大転換期を迎えています。電力自由化をきっかけに各家庭へのスマートメーター導入が開始され、電力産業、電力関連ビジネスは一気にデジタル化の道を歩み始めました。本連載では、RAUL株式会社代表取締役の江田健二氏が、IoTとも密接な関係を持つ電力とエネルギーの未来を、ワイヤレス給電、EV(電気自動車)、ドローン、ビッグデータ、蓄電池、エネルギーハーベスティング、VPPといった最新テクノロジーの話題とからめながら解説します。

本連載は、書籍『スマホでサンマが焼ける日』(2017年1月発行)を、許可を得て編集部にて再編集し掲載しています。

電気を収穫する「エネルギーハーべスティング」という発想

連載第1回で述べた「エネルギーハーベスティング」について詳しく説明します。

エネルギーハーベスティング技術とは、人やモノの振動、照明の光や熱など、周りの環境から採取できる微小なエネルギーを収穫(ハーベスト)して、電力に変換する技術のことです。
「環境発電技術」とも呼ばれていて、世界市場規模は2012年の5億ドルから2018年には50億ドルに伸びると予想されています。

たとえば歩く、階段を登る、自転車をこぐ、はたまたキーボードを叩くといったエネルギーで発電できたら面白いと思いませんか?

実際、イスに座っていて貧乏揺すりをしたときに発電されて、その電気を携帯に充電できるイスが販売されたそうです。これはかなりユーモラスな発想ですが、そうしたちょっとした揺れでも発電できる技術が生まれ始めているのです。

また、フィットネスクラブで運動したエネルギーでフィットネスクラブの明かりをつけるとか、子どもがスポーツクラブの運動で発電した分、会費が安くなるとか、いろいろと面白い発想が生まれてきます。

スマホでサンマが焼ける日 電気とエネルギーをシェアする未来の「新発想論」

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この連載では書籍からごく一部のキーワード解説を掲載しています。
50年に1度の大転換期を迎えた電気・エネルギー業界の未来のキーワードをチェックするならぜひご覧ください!

生活の中の振動や活動を電気に変換する

将来、スマートフォンにも発電装置が付いていて、スマートフォンを振るだけで発電できてしまう、というシステムも開発されるかもしれません。
また人が話をしている声(音声)を電気エネルギーに変換できる「音力発電」というものを研究開発している会社がありますが、こうしたシステムがスマートフォンに搭載されていれば、おしゃべりしているだけで発電できてしまうわけです。

エネルギーハーベスティングによって得られるエネルギーの量は大型発電システムなどに比べるとそれほど多くありません。
ですが今後IoT化で様々な製品が微小な電力を消費することになると、エネルギーハーベスティングで小まめに発電した電気を小まめに上手く使うシステムができればとても効率的ですし、省エネルギーにも貢献できます。

今後、エネルギーハーベスティング的な発想で、生活の中の様々な振動や活動エネルギーが電気エネルギーに変換できるシステムが普及するでしょう。

よくよく考えると、今、人間の活動エネルギーのほとんどは無駄にされています。そのうちの半分でも電気エネルギーに変えることができて、しかも貯めることができればこれほど効率的なことはありません。
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グーテンブック編集部 グーテンブック編集部