話題の民泊・Airbnb。マンション管理組合はどう対応するべきか?【マンション管理のトラブルQ&A】

本連載は、書籍『わかった! 得した! マンション管理 疑問・トラブル解決ガイド ―実例250選 Q&Aで学ぶ管理組合のための問題解決ブック―』(2017年9月発行)を、許可を得て編集部にて再編集し掲載しています。
連載第1回目は、今話題の「民泊」についてのQ&Aを見てみましょう。
ニュースでも話を聞くことが増えてきた民泊やAirbnb。民泊を始めたいと考えている場合、自分のマンションではやってほしくないと思っている場合、それぞれどのような注意が必要なのでしょうか?

Q.マンションで民泊を始めたい!注意点は?

マンションを数戸所有しております。空き家もあることから、民泊をしたいのですが、注意点を教えてください。なお、規約は、標準規約と変わりません。

A.登録と規約改正が必要です。

空き家を有効に使う、使いたいということはとてもいいことと思います。
現在は大田区などの国家戦略特区(いわゆる特区)だけで認められていますが、規制緩和についても検討されているようです。
民泊サービスといっても、不特定多数の者を反復継続して有償で提供することになりますので、現時点では「旅館業法」の許可が必要になり、登録をしなければなりません。民泊新法が施行されても、都道府県知事への届け出が必要になり、年間180日までとなります。

標準管理規約の専有部分の用法で「専ら住宅として使用」という表現だけでは、民泊を禁止とすることは難しいのですが、「宿泊も住宅としての使用にあたる」「期間の短い賃貸」ということで規約に反しないという主張もできるかもしれません。

規約の問題以前に、民泊をした場合、他の居住者とのトラブルが心配されます。
一番考えられるのは、ゴミ出しや騒音ですね。また、緊急時の対応、本人確認、規約・使用細則の遵守などいろいろな問題が心配されます。
このような予想されるトラブルに対する対策をしっかり採られたうえで、住民の皆様の理解を得られる状態になさらないといけないかなと思います。
まずは自身のマンションが建つ自治体の規制を確認したうえで、民泊可能となっても年間180日のルールを違反しないよう気を付ける必要がありそうです。
他の居住者とのご近所トラブルが発生しないための対策も必須ですね。

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Q.民泊を営業する権利を主張された!どう対応すべき?

管理規約第12条には「専ら住戸として使用する…」となっているマンションです。しかし、実質的に事務所としている人が居住するマンションです。
通常総会で民泊を禁止する内容の規約変更を特別決議で可決いたしました。後日、外部所有者の方から「既に民泊を行っています。もし民泊ができなくなると、大きく収入が減り不利益を被ることになります。特別の影響が及ぶ者として私の承諾が必要ではないでしょうか、当然承諾いたしません」との文章が理事会に届きました。
どのように対応するべきでしょうか。

A.規約違反では権利は認められない。

規約に「住戸専用」となっているのに、その方は宿泊施設として使用しているということになります。
現状では、住戸と宿泊施設とは違います。 その方が規約違反をしているということになりますので、民泊の禁止を通告できることになります。従わないのでしたら裁判ということにもなりかねません。

もともとやってはいけない民泊を許可なく行って、収入が減るという言い分は通らないでしょう。
その方は民泊をしているということをご自分で暴露し、ご自分で墓穴を掘ったことになります。

事務所としての使用でしたら、常に責任者が滞在するところですが、民泊でしたら何の責任もない不特定多数が入り込むことになります。
また建物の使用に対する責任感がまるっきり違います。事務所などの使用はよくあることですが、宿泊施設としての使用を認めているところは稀です(本当は事務所もアウトかと思います。それはそれで検討してください)。
規約では「規約の制定、変更又は廃止が一部の組合員の権利に特別の影響を及ぼすときは、その承諾を得なければならない。云々…」とされていることは確かです。

しかしこれは、正当な状況のことに対してであり、今回のように規約違反をしている方が主張できることではありません。
民泊が広まってしまいますと手が付けられない状態になりかねませんね。今のうちに断固として組合の方針を貫いていただきたいと思います。
規約が存在しているのであれば、ルール違反者に対して正当な理由で抗弁できます。
民泊はこれからいっそう広がりを見せると思われるので、今から対策ができているかを確認しておくと安心ですね。

Q.民泊容認で注意すべき点は?

仮に管理組合として民泊を認めるという方向にした場合、避難誘導灯などの消防設備はホテル並みにたくさん設置しなければならないのでしょうか?
他にも、民泊を認めなければ不要なものが、認めると必要になってくるなど、注意すべき点がありましたら教えてください。

A.危惧される問題点の対策が必要です。

管理組合で民泊を許可しても、管理組合で営業するわけではありませんから、何も変わりはありません。
もし、現状で民泊として営業することに差し支えのあるようなことがあれば、民泊ができないということになるだけです。管理組合が、そのために合わせてあげる必要はないと思います。(民泊をするということは自己都合なので)

最近、民泊のとらえ方が甘くなってきて、最初の頃は旅館業法の認可が必要だったのですが、新民泊法では180日以下の使用の場合は住宅として扱うようなことにもなってきています。
禁止の場合は規約でしっかり定めておかないと、いつでも、誰でもできてしまうということになりかねません。
容認する場合には、ハード面ではなく、むしろソフト面の問題に対しての対策を管理組合でどう対処するかが問題になるのではないでしょうか。騒音とかマナーの問題が一番身近ですね。後は、消防点検なんかに協力いただけるかとか、漏水事故が発生したら誰に連絡するのかとかの問題も考えられます。

ご自分で民泊を営業するばかりでなく、民泊業者に賃貸することも考えられます。利用客は使用細則や規約なんか読みませんから、住民との差は防げません。

起こりうるトラブルをできるだけ挙げて、対策を検討しておくことが必要ではないでしょうか。

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Q.民泊を防止したい!そのための対策は?

最近、国内の分譲マンションで、空き部屋のオーナーが民泊とすることが増えていると報道されており、社会的なニーズに叶っている一方で、マンションの他の住人とのトラブルになっていると言われています。
うちのマンションでは理事会全員の一致している意見として、自分のマンションが民泊に使われることがあって欲しくない、と考えています。

そこで、2点お尋ねします。
まず、ほとんどのマンションは、標準管理規約に沿った管理規約としているものと思われますが、その「第4章 用法(専有部分の用途)第12条 区分所有者は、その専有部分を専ら住戸として使用するものとし 、他の用途に供してはならない」は、民泊を禁止する規約としては、機能していないのでしょうか?また、それはなぜなのでしょうか?

もう一つは、仮に、上記第12条では防ぎ得ないとしたら、どのような規約を追加すべきでしょうか?その成功事例がありましたら、教えてください。

A.規約の追記が必要です。

「専ら住戸として使用」という規定だけでは民泊を完全に防げないと思います。民泊サービスを「住宅宿泊」と位置付けるような提案もされています。確かに期間を問わなければそこを「住まいとして使う」というような主張が通ってしまうかもしれません。

対策として2つの規定の追加が必要になります。一つは専有部分の用法、もう一つは専有部分の貸与の条です。

両方とも不特定多数を対象とする宿泊や滞在の禁止を規定します。用法だけでなく貸与も規定しておかないと「期間が短いだけの賃貸だ」と主張された場合に対処できません。

下記に例を記しますのでご参考になさってください。
(専有部分の用法)
・区分所有者は、その専有部分を不特定多数 を対象に宿泊や滞在の用途に供してはならない。
(専有部分の貸与)
・区分所有者は、その専有部分を、期間を問わず、不特定多数を対象とする営利を目的とした宿泊や滞在の用途として貸与してはならない。
空き部屋の有効活用として増えた民泊やAirbnb。新しいサービスの広がりに合わせて、マンション管理もこれまでと同じルールや運用で問題がないのか、見直しが必要ですね。
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