スターウォーズの世界も夢じゃない。電気を動力にした乗り物が自動充電・走行する未来【スマホでサンマが焼ける日】

【第12回】電気・エネルギー業界は今、50年に1度の大転換期を迎えています。電力自由化をきっかけに各家庭へのスマートメーター導入が開始され、電力産業、電力関連ビジネスは一気にデジタル化の道を歩み始めました。本連載では、RAUL株式会社代表取締役の江田健二氏が、IoTとも密接な関係を持つ電力とエネルギーの未来を、ワイヤレス給電、EV(電気自動車)、ドローン、ビッグデータ、蓄電池、エネルギーハーベスティング、VPPといった最新テクノロジーの話題とからめながら解説します。

本連載は、書籍『スマホでサンマが焼ける日』(2017年1月発行)を、許可を得て編集部にて再編集し掲載しています。

EV(電気自動車)のワイヤレス給電

ドローンとともに、今後、ワイヤレス給電を必要とするモノがEV(電気自動車)です。

今、電気自動車に家や充電ステーションで充電するときには専用のプラグ(ケーブル)を接続する必要がありますが、このプラグの着脱には結構手間がかかります。
しかし、ケーブルを使わないで駐車場などに止めておくだけで無線充電できればこんなに便利なことはないでしょう。

今、そうしたニーズに応えるべく、トヨタ自動車や三菱自動車工業をはじめ、世界の自動車メーカー各社は競ってEVのワイヤレス給電化の実証・実験を行っています。
そのシステムは割とシンプルで、車の下側に電気を受電する装置(パット)を搭載し、駐車場に設置した送電パットの上に車を止めれば、そのまま充電ができるというものです。

このシステムが実用化されれば、たとえばスーパーやショッピングモールに車で買い物に行って、送電パット付きの駐車場に車を止めておけば、買い物中に充電ができてしまいます。
また、路線バスもバス乗り場や停留所で停車中に充電できますし、タクシーも駅のロータリーなどで客待ち時間に充電できるようになります。
そうなったらとても効率がいいですよね。

「自動運転車」にも不可欠なワイヤレス給電

また、電気自動車とともに実験・開発が進んでいる「自動運転車」にとっても、ワイヤレス給電はなくてはならないシステムとなるでしょう。

最近、米グーグルの親会社のアルファベットという会社が、開発中の電動式自動運転車についてワイヤレス給電の実験を行っているという報道がありました。
ペッパーのようなロボットなど、自動で動くものを充電する場合、人間がいちいち電源につないで充電するのは非常に非効率的です。
将来、決まったルートを巡回して走るような自動運転車(バスなど)が増えれば、ワイヤレス給電システムのニーズはさらに高まるはずです。

スマホでサンマが焼ける日 電気とエネルギーをシェアする未来の「新発想論」

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この連載では書籍からごく一部のキーワード解説を掲載しています。
50年に1度の大転換期を迎えた電気・エネルギー業界の未来のキーワードをチェックするならぜひご覧ください!
EVのワイヤレス給電システムは、停車している間だけでなく、走行中にもワイヤレス給電できる技術が研究開発されています。
NEXCO中日本は道路にワイヤレス充電装置を設置しての走行中の電気自動車に無線で電力を伝送する(走行中給電)システムの屋外走行実験に成功したそうです。

こうした技術はまだまだ始まったばかりですが、走行中のワイヤレス給電が可能になれば、搭載するバッテリーの容量も小さくなり、車体の軽量化やパッケージングの高効率化、デザインの変化など、EVの姿を一気に変えてしまうはずです。

電気を動力にした自動で動く乗り物が、自動的にワイヤレス充電されて街の中を行き交い、空を飛び交う。
近い将来、スターウォーズで見るような世界が現実のものになると思うとワクワクします。
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