会社の財務状況を「+と△」で感覚的に読む【財務はおもしろい~老舗企業の思考から学ぶ、 " 百年続く中小企業経営 " の教科書~】

【第1回】多くの企業・経営者の経営コンサルティングから生み出された「数字を使わず経営を理解するカベヤ式財務のノウハウ」。数字が苦手な人にこそ知ってもらいたい、決算書の数字が読めなくても企業の置かれた状態が簡単に理解できる考え方と老舗企業が100年続く経営の仕組み、財務の考え方から中小企業が永続的に続くための秘訣をお伝えします。

本連載は、書籍『財務はおもしろい 老舗企業の思考から学ぶ、"百年続く中小企業経営"の教科書 (数字を使わずカンタンに理解するカベヤ式)』(2019年7月発行)を、許可を得て編集部にて再編集し掲載しています。

「財務キャッシュフロー(CF)」のプラスとマイナスは?

【図・キャッシュフロー計算書の感覚!】を見てください。
それぞれの空欄には、いったい何が入るでしょうか?
財務CFはお金の調達です。投資CFは運用です。営業CFは利益を表します。その基本を頭に置いて考えてみてください。
 (5350)

まず財務CF(調達)について考えてみましょう。
調達においてプラスということは、すなわち「お金が入ってくる行為」ですから、「借りた」もしくは「増資した」ということになります。したがって財務CFのプラスは「お金を調達した」=「借りた、増資した」です。

では財務CFのマイナスは何でしょう?
「借りた」がプラスならば、当然「返した」がマイナスです。つまり財務CFのマイナスは「お金を返した」=「返済した」です。「お金を調達した」の逆は、「お金を返した」。考えてみれば単純なことです。このように感覚でつかんでください。

「投資キャッシュフロー(CF)」のプラスとマイナスは?

次に投資CFのプラスとマイナスを考えてみましょう。
投資CFは運用です。運用のマイナスとは何でしょうか?
運用でお金を使うとは、設備投資をしたり有価証券を買ったりすることなどです。つまり投資CFのマイナスは「お金を出して投資した」ということです。

では投資CFのプラスは何でしょうか?
これも先ほどの財務CFの時と同じ感覚で考えてください。財務CFのプラスが「借りた」で、マイナスが「返した」でした。このようにプラスとマイナスは単純に逆の関係だということが分かれば、投資CFのプラスが何か、が自ずと見えてきます。

そう、「投資した」の逆ですから「投資を解消した」(投資を売却してお金を得た)のです。有価証券を売ったとか固定資産を売却してお金を得た、などが投資CFのプラスです。これも感覚で理解してください。

「営業キャッシュフロー(CF)」のプラスとマイナスは?

最後に営業CFのプラスとマイナスです。
営業CFは利益です。ですから営業CFのプラスとマイナスは非常にシンプルです。そう、「営業からお金を儲けた」「営業でお金を失った」、これしかありません。

このように、CFのプラスとマイナスというのは、とても簡単です。何度も繰り返しますが、この書類には調達、運用、利益の流れしか書かれていません。どうお金を集めたか、どう運用したか、どう利益を上げたか。それしか書かれていないのです。
 (5356)

財務はおもしろい 老舗企業の思考から学ぶ、"百年続く中小企業経営"の教科書

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「会社にとって財務とは何か」「会社を永く続けるとは何か」など、健康な会社経営のノウハウや老舗企業が100年続く経営の仕組み、財務の考え方から企業が永続的に続くための秘訣を学ぶことができます。

「+と△」だけで感覚的に分かる会社の財務状況

「+と△」だけで書かれた7つの会社の財務状況を感覚で読む

ここで復習をします。

・財務CFのプラス=「借り入れ」「増資」した
・財務CFのマイナス=「返済」した
・投資CFのプラス=「投資を解消」した
・投資CFのマイナス=「投資」した
・営業CFのプラス=営業からお金を「儲けた」
・営業CFのマイナス=営業でお金を「失った」

これを踏まえた上で、皆さんにやっていただきたいワークがあります。次の表を見てください。
 (5445)

この表には①から⑦まで7つの会社の経営状態(決算状況)がプラス(+)とマイナス(△)で書かれています。7つの会社がそれぞれどのような状態なのかを見ていきましょう。

ここで意識してほしいのが、前述したように、必ずどんな時でも「調達」→「運用」→「利益」の順番で読む、つまりまずは「調達」からストーリーを読まなければいけないむ、ということです。ですからこの表を読む時も、「財務CF」→「投資CF」→「営業CF」の順番で見ていくことが重要です。

まず①の会社を見てください。この会社はどういう会社でしょう?
この会社はまず財務CFがプラスなので、借りたか、増資したということが分かります。その結果それをどう運用したかというと、投資CFがマイナスになっていますから、何か設備投資に回したんだな、ということが分かります。
その結果、営業CFがプラスであるということは、利益を上げた会社であり、さらに手許にお金が増えたということが分かります。

プラスとマイナスを付ければ財務状況が瞬時に分かる!

同じような感じでに②以降~⑦の会社を見ていきましょう。
②~⑦までの会社はそれぞれどんな会社でしょうか?
ストーリーは、財務、投資、営業の順番で流れていますから、必ず財務CFから見てください。

②の会社はどんな会社でしょうか? 
財務CFはマイナス、投資CFもマイナスですから、おそらく銀行に返済をしてし、同時に投資もしているということでいます。本業からは稼げており、トータルの手許のお金は減っていますが、本業の儲けで設備投資をして返済もしている会社ということは、「おっ、この会社は結構攻めているな」「これから大きくジャンプしそうだな」というイメージです。

③の会社はどうでしょうか? 
財務CFはマイナスですから、借りたお金を返済している。投資CFはプラスですから、投資を売却してお金を得た。そして営業CFはプラスですから「儲けた」。その結果、手許にお金が増えたということになります。

④~⑥の会社は、財務CFと投資CFはプラスだったりマイナスだったりしますが、いずれも営業CFがマイナス、つまり「営業でお金を失った」会社です。

最後の、⑦の会社はどうでしょう?
財務CF、投資CF、営業CF、手許のお金、全てがプラスです。ということは、お金を借りたか増資して、投資を解消して、営業でお金を儲けて、手許のお金も増えた会社だということです。

このように各項目にプラスとマイナスを付けてみれ付けるとば、その会社のが今どんな財務状況なのかが簡単に見えてきます。このプラスとマイナスで会社の財務状況が読めれば、イコール財務諸表を瞬時に読めるということなのです。財務諸表に書いてあるの数字は、このプラスとマイナスが細かい数字として書かれているだけなのです。
(次回へ続く)
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