本づくりのスケジュールを組む【出版社をやってみて分かった「本と企画のつくり方」】

【第6回】この連載では、本Webサイト「biblion」も運営している出版社(株式会社masterpeaceと申します)でこれまで100冊ほどの書籍企画・編集・発行をお手伝いさせていただいた筆者(代表兼編集者をやっております)が、自社でお手伝いさせていただいた企画やプロジェクトの経験からお伝えできる範囲で「シンプルな本づくりのポイント」をお話させていただきます。

前回までは、テーマの絞り方と本を手に取ってもらうためのアプローチ、本づくりの流れ、お金の話についてお伝えしてきました。
今回の記事では、本づくりのスケジュールについてご紹介します。
1.スケジュール感を把握しよう
2.制作工程とスケジュール
3.いつごろ発売したいのかを考える

スケジュール感を把握しよう

本を出版しようと企画してから書店に並ぶまでに、どれくらいの時間が必要だと思いますか? もちろん、出版社によっても、どのような本を作るのかによっても異なりますが、著者さんが原稿を2ヵ月くらいで書けたとしても、早くて5ヵ月~半年、よくある一般的な制作期間だと半年から1年ほどかかると言われています。
企画の段階で話題になっているコトやモノをテーマに執筆し始めたとしても、書籍化が1年後だったとしたら・・・。ブームは終わっているかもしれませんし、同じような内容の競合本が溢れているかもしれません。
本の出版を企画するときは、スケジュール感も含めて検討すると、苦労して作って発行したうえで「あれ?思ったほど売れないな」といった悲しい結果となる確率を抑えることができるでしょう。

制作工程とスケジュール

ここでは例として、弊社出版サービスで書籍化を進める場合の進め方をご紹介します。
原稿は著者さんに執筆いただき、編集者が客観的な視点で書籍をよりブラッシュアップする、という一般的な書籍制作の場合のスケジュール感を見てみましょう。
著者さんの原稿執筆のスピードによって変わりますが、最短で5カ月程度で原稿作成から書籍発行まで進めることができます。
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目次整理・原稿執筆【2~3ヵ月】

著者さんによって様々ですが執筆にかかる期間は1冊分で2~3カ月が標準的です。ただし、ゼロから執筆を始めるのではなく、Webなどで公開している記事やブログを活用して原稿とする場合は、数週間で原稿が完成する場合もあります。原稿執筆に合わせて、挿入する図版や表、イラスト、写真の作成・手配も行います。
プロのライターさんが執筆する場合は、著者さんに取材をしたり、執筆テーマについて調べたりします。取材の日程が著しく遅れたりしなければ、1~1.5ヵ月程度でインタビューは終えることができるでしょう。

原稿の編集・校正・チェック【1ヵ月】

「どうすれば一般の読者に面白く読んでもらえるか」「どういう本であれば多くの人が読みやすく、手に取りやすいか」といった目線で編集者が編集作業をしたうえで、誤字脱字・日本語として誤った表現がないかの校正チェックも行います。原稿の文章量にもよりますが、1ヵ月程度かかります。

書籍データ化・最終確認【1ヵ月】

原稿が完成したところで、出版社がデータ化します。確認する作業に1ヵ月程度かかりま
す。タイトルや書誌情報、価格などの販売時に必要な情報も、遅くとも書籍データの完成ま
でには固める必要があります。

流通処理・印刷【2週間】

印刷会社にデータの入稿を行ったり、販売用データベースの登録をしたりします。書籍のデータが完成してから書店で購入できる状態になるまで、弊社の場合も最低2週間程度はかかります。

いつごろ発売したいのかを考える

著者さんによっては、原稿が完成したらすぐに発売できるはず、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、原稿完成後にも様々な工程があり、制作途中で発売日を前倒しすることはとても難しいです。
さあ、今から本を作ろう!と思って急いで始めても、完成は早くても半年後、しっかりした本を丁寧に作ろうとすると、1年後になってしまう場合もあります。
発売日にこだわりがある著者さんは、企画段階で制作期間をしっかり考慮し、どのような作り方をするべきかを選ぶことも大切です。

今回は、本作りのスケジュールについてお話しました。

本づくりをお考えの方は出版サービス「グーテンブック」まで

著者:窪田篤

good.book(グーテンブック)という出版サービスを運営している窪田と申します。
この連載では、もともと編集者でもなかった私が、様々な著者さん・編集者さんとご一緒するなかでわかった範囲で、「本や企画作りのポイント」について簡単にお話させていただきます。(生粋の書籍編集プロの皆様からはお叱りのお言葉をいただく内容もあるかもしれません。門外漢ゆえの、、としてご了承ください。)

弊社の出版サービスは、主に電子・印刷書籍を複数のWeb書店を通じて販売するというものです。大手出版社さんの「全国の書店に書籍を並べて販売する」出版方法とは主に流通面で異なる点は多いのですが、企画の作り方や書籍制作の進め方についてはそこまで大きな違いはないかと思います。

「これから本を作りたい著者さん」あるいは「書籍化したら面白そうなネタがある企画者さん」のご参考となれば幸いです。

尚、弊社の発行企画の傾向から、特に「書くことが好きでただ書きたい!」方よりは、「書籍を作って、人に伝えることでお仕事や様々な目的でなんらかの効果を生み出したい」と考える人のための本づくりを中心にお話させていただきます。

株式会社masterpeace代表取締役社長。アクセンチュア株式会社で大規模システム設計/運用プロジェクトに参画。2013年、good.book(グーテンブック)立ち上げのため、masterpeaceに参画。新規事業企画・コンテンツ編集責任者を兼任。2018年5月より現職。
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