出版に向け「書誌情報」を登録する【出版社をやってみて分かった「本と企画のつくり方」】

【第12回】この連載では、本Webサイト「biblion」も運営している出版社(株式会社masterpeaceと申します)でこれまで100冊ほどの書籍企画・編集・発行をお手伝いさせていただいた筆者(代表兼編集者をやっております)が、自社でお手伝いさせていただいた企画やプロジェクトの経験からお伝えできる範囲で「シンプルな本づくりのポイント」をお話させていただきます。

1.書誌情報とは
2.Webストアで販売する際の情報掲載のコツ

書誌情報とは

書誌情報とは、本を特定するために必要な情報のことをいいます。

タイトルで本を特定できる場合もありますが、世の中には同じタイトルの本が存在しますし、同じ本でも,版が異なればページ数が違う場合もあります。タイトルだけで本を特定することはできません。
書誌情報には、タイトル、著者名、編者名、訳者名、版表示、出版者、出版年、ページ数、価格、大きさ、ISBN、など、本の基本的な情報が含まれます。これらの情報は、本の奥付(一番最後のページ)に記載されています。

次の画像は、弊社で出版した本の奥付です。
 (5703)

上から、タイトル、発行日、版、著者、発行人、発行会社の情報、最後にISBNが記載されています。

Webストアで販売する際の情報掲載のコツ

Webストアで販売する際は、書誌とは別にさらに他に書籍を紹介するための情報掲載が重要となります。
電子書籍は紙の本と異なり、書店の目に入りやすい場所に置いておくということができないので、Web上の本の説明文や目次、著者紹介などの情報が、読者の読む・読まないの判断につながります。
企画主旨や内容紹介、著者紹介、コンテンツキャッチフレーズ、読者対象など、誰に向けたどのような本かを説明する書誌情報をしっかり記載し、読むメリットを読者に伝えられないと売れないので、紙の書籍と比較して、書誌情報がより重要になります。

紙の書籍で必要な情報に加え、各Web書店で本を分類する際に使われる「ジャンルコード」や「検索ワード」の登録も必須となります。
検索ワードは、本の内容を正確に表し、利用者が検索に使いそうな言葉を反映したキーワードを設定する必要があります。どのようなワードが本の販売につながっていくかを考えてみましょう。
例えば、先ほどご紹介した弊社で出版した本「障害者雇用は経営課題だった!失敗事例から学ぶ、障害者の活躍セオリー」は、企業で障害者雇用に取り組んでいる人事担当者に向けた、障害者雇用を成功に導くための指南書です。人事担当者が求めている情報は何か、どんなキーワードで本を探すかを読者目線で想像し、「人事制度」「障害者雇用率」「マネジメント」などをキーワードにしています。
今回は、書誌情報についてお伝えしました。

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著者:窪田篤

株式会社masterpeace代表取締役社長。アクセンチュア株式会社で大規模システム設計/運用プロジェクトに参画。2013年、good.book(グーテンブック)立ち上げのため、masterpeaceに参画。新規事業企画・コンテンツ編集責任者を兼任。2018年5月より現職。
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