読みやすい本を作るために組版でやるべきこと【出版社をやってみて分かった「本と企画のつくり方」】

【第11回】この連載では、本Webサイト「biblion」も運営している出版社(株式会社masterpeaceと申します)でこれまで100冊ほどの書籍企画・編集・発行をお手伝いさせていただいた筆者(代表兼編集者をやっております)が、自社でお手伝いさせていただいた企画やプロジェクトの経験からお伝えできる範囲で「シンプルな本づくりのポイント」をお話させていただきます。

1.組版とは
2.組版のポイント
3.電子書籍で必要な調整

組版とは

今回は、組版と呼ばれる書籍レイアウトを作る作業についてお伝えします。

組版とは、印刷工程のひとつで、文字や図版などをページに配置し、紙面を構成していくことを指します。もともとは活版印刷の用語で、文字通り、活字を「組」み合わせて「版」を作ることに由来します。
この組版によって、印刷することのできる書籍の紙面が完成します。ここまでのステップでは書籍の中身(原稿等)を作り、磨いてきましたが、本づくりの終盤にあるこの工程によって、目に見える形で書籍ができあがるのです。

もちろん組版次第で、書籍を開いたときの印象は大きく変わります。内容(原稿)が最も重要だとは思いますが、やはりここも手を抜くことはできない工程です。

Wordはフォントを選べるということもあり、組版をせず、入力した文章をそのままプリントアウトするだけでもそれなりの完成度で読むことができます。ただ、しっかりと組版された一般的な本と比較すると、読みやすさは劣ります。
日本語は、漢字、ひらがな、カタカナ、ローマ字、数字と、いろいろな文字が混ざっているため、単純に等間隔に文字を並べるだけでは読みにくくなってしまいます。
読みやすく、見た目にも美しい状態にするため、フォントや文字サイズ、行間、ルビなど、細かな情報を設定したうえで、書籍として仕上げていく必要があります。

組版のポイント

見出しのフォントサイズはどれくらいの大きさにするか、見出しと本文の間にどれくらいのスペースをあけるのか、1行に何文字入れるか、また1ページには何行入れるか、など、1つのページの設定によっても見え方が大きく変わってきます。読みやすいレイアウトになるよう、いくつかのパターンを作成して、比較してみるのもよいかもしれません。

1つのページにどのような本文や見出しが掲載されるかは様々ですが、一つの書籍のなかでは、利用する組版ルールによって、どんな原稿が来ても崩れることがないように組み立てられるよう、設計する必要があります。
「大見出し」と「中見出し」と「本文」がある場合、「小見出し」と「本文」がある場合、「本文」のみの場合など、さまざまな組み合わせが発生しますが、どんな組み合わせでも1ページにきれいに収まるように調整が必要です。

組版によって、本の見え方を変えることができるので、書籍のジャンルに合ったレイアウトを選ぶことも重要です。例えば、入門書の場合は、できるだけ簡単に見えるように文字を詰めすぎない、などの調整をするのもよいでしょう。

これらの調整は、原稿作成と同時に編集者に相談しながら決めていくとよいでしょう。とても複雑な作業になるので、プロにお任せした方が効率よく進めらると思います。
下の図は、3通りの組版をしてみた結果です。
字体や文字サイズ、行間、行頭の位置、1行に入る文字数など、それぞれ異なります。
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電子書籍で必要な調整

紙の本で組版があるように、電子書籍を完成させるためにも「電子書籍データ作成」という作業が必要です。
電子書籍のリーダーは、iPhone/iPad、Kindle、パソコンなどがあります。リーダーによって対応できるデジタルデータのフォーマットが異なるため、各フォーマットに応じたファイルを作成すること(コーディング)が必要です。
フォーマットの規格は多岐にわたりますが、使われることの多い主要なフォーマットは、EPUBです。

さらに、各フォーマットに、表示形式が異なる「リフロー型」と「フィックスド型」がそれぞれ存在しています。
リフロー型は、表示する画面やデバイスに応じて、電子書籍の表示レイアウトが可変します。画面サイズに合わせて自動的にレイアウトが変更されるため、自分の好みに合わせて文字サイズやフォントを変えることができます。
フィックスド型は、表示する画面やデバイスに依存せず、レイアウトが変わらない形式のものです。画面が小さいデバイスを使うときは、自分で左右にスクロールさせたり、画面をズームさせる必要が出てきます。
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電子書籍のみに必要な設定もあります。
目次をクリックすることで該当の章・節に移動できるようにすること、検索機能に対応できるようにすること、画像が表示されるか、リンクが機能しているか、などのチェックも必要です。
今回は、組版についてお伝えしました。

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著者:窪田篤

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グーテンブック編集部 グーテンブック編集部