本連載は、書籍『財務はおもしろい ライフプランナーのための教科書 (数字を使わずカンタンに理解するカベヤ式』(2018年10月発行)を、許可を得て編集部にて再編集し掲載しています。
「木を見て森を見ず」が財務諸表への苦手意識を生んでいる
財務諸表を読むことができない、または苦手だ、という方はたくさんいらっしゃると思います。ではなぜ財務諸表を読むことがそんなに難しいのでしょうか?
そこには非常にシンプルかつ大きな原因があります。それは、財務諸表を読むのが苦手(=数字が苦手)と感じている人は、財務諸表の「細部のみを見ようとしている」ということです。
財務諸表を読む時は、本来であれば財務諸表全体を俯瞰的に見て、この会社は今どのような財務状況なのか? 会社全体の経営のバランスはどうなのか? ということを読みとらなければなりません。
ところが財務諸表に苦手意識を持っている人は、細かい科目や数字の一つひとつに意識が向いてしまい、財務諸表全体を見ようとしていない、すなわち「木を見て森を見ず」の状態になってしまっているのです。
そこには非常にシンプルかつ大きな原因があります。それは、財務諸表を読むのが苦手(=数字が苦手)と感じている人は、財務諸表の「細部のみを見ようとしている」ということです。
財務諸表を読む時は、本来であれば財務諸表全体を俯瞰的に見て、この会社は今どのような財務状況なのか? 会社全体の経営のバランスはどうなのか? ということを読みとらなければなりません。
ところが財務諸表に苦手意識を持っている人は、細かい科目や数字の一つひとつに意識が向いてしまい、財務諸表全体を見ようとしていない、すなわち「木を見て森を見ず」の状態になってしまっているのです。
財務諸表に流れている〝ストーリー〟を読みとれ!
この、「財務諸表全体を見ていない」=「財務諸表が読めない」という問題の解決方法が、今から説明する、財務諸表に流れるストーリーを読む「ストーリーの理解」と、財務諸表(数字)を感覚でとらえましょう、という「感覚理解」の2つです。
最初に「ストーリーの理解」とはどういうことか? について説明します。
実は、財務諸表には、ある〝ストーリー〟が流れているのです。そのストーリーさえ読み取れば、一見難解に見える財務諸表が手に取るように分かるようになります。
財務諸表を読み取るのは、実はとても簡単なことなのです。ただ、数字がたくさん並んでいて、しかも非常に難しく書いてあるので、皆さん「こんな難しいものは、専門家しか読めない」と思い込んでいるだけなのです。
最初に「ストーリーの理解」とはどういうことか? について説明します。
実は、財務諸表には、ある〝ストーリー〟が流れているのです。そのストーリーさえ読み取れば、一見難解に見える財務諸表が手に取るように分かるようになります。
財務諸表を読み取るのは、実はとても簡単なことなのです。ただ、数字がたくさん並んでいて、しかも非常に難しく書いてあるので、皆さん「こんな難しいものは、専門家しか読めない」と思い込んでいるだけなのです。
財務諸表=数値は〝感覚で〟理解せよ
「ストーリーを読む」ことと同時に、財務諸表を読み取り理解する上において、もう一つ重要なポイントが「感覚で理解する」ということです。
財務諸表のような数字ばかりが並んでいるものは、実は論理ではなく「感覚でとらえる」ことが重要です。皆さん意外に思われるかもしれませんが、そもそも〝数値は感覚でとらえることができる〟ものなのです。
ですから、あまり論理的に頭で考えず、感覚的に「ここにはこんなストーリーが流れているんだな」と、気楽な気持ちで見ていただくことが一番重要なポイントになります。それをしないとストーリーを読み込めなくなります。どうぞ脳をリラックスさせてください。
財務諸表のような数字ばかりが並んでいるものは、実は論理ではなく「感覚でとらえる」ことが重要です。皆さん意外に思われるかもしれませんが、そもそも〝数値は感覚でとらえることができる〟ものなのです。
ですから、あまり論理的に頭で考えず、感覚的に「ここにはこんなストーリーが流れているんだな」と、気楽な気持ちで見ていただくことが一番重要なポイントになります。それをしないとストーリーを読み込めなくなります。どうぞ脳をリラックスさせてください。
財務三表には〝共通のストーリー〟が流れている
会計の基本「財務三表」とは何か?
皆さんは、「財務三表」と呼ばれるものはご存知かと思います。これは会計における基本中の基本ですので、「財務三表とは何ですか?」と訊かれたら即答できるようにしておいてください。
財務三表とは次の3つを指します。
1 貸借対照表(BS)
2 損益計算書(PL)
3 キャッシュフロー計算書(CF)
皆さんに知っておいていただきたいのは、この3つには「共通したある一つのストーリー」が流れているということです。
財務三表とは次の3つを指します。
1 貸借対照表(BS)
2 損益計算書(PL)
3 キャッシュフロー計算書(CF)
皆さんに知っておいていただきたいのは、この3つには「共通したある一つのストーリー」が流れているということです。
数字が苦手な人でもストーリーをイメージしやすい 「キャッシュフロー計算書」
財務三表を読み取るためには、貸借対照表(BS)、損益計算書(PL)、キャッシュフロー計算書(CF)の3つ全てをきちんと理解したほうがよいのですが、ストーリーの流れを一番よくイメージしやすいのがキャッシュフロー計算書(CF)です。
したがって、数字が苦手な方はまずCFを読み解くことから始めるとよいでしょう。
CFを読むことができれば、そこに流れているストーリーがBSやPLにも流れていますから、数字が苦手な方はCFに対する理解を深めていくだけでも、ストーリーを感じられるようになります。
したがって、数字が苦手な方はまずCFを読み解くことから始めるとよいでしょう。
CFを読むことができれば、そこに流れているストーリーがBSやPLにも流れていますから、数字が苦手な方はCFに対する理解を深めていくだけでも、ストーリーを感じられるようになります。
経営の基本的活動を理解せよ
全ての経営は、「たった3つの活動」で成り立っている
では、ここからいよいよ〝ストーリーの読み方〟についてお話しします。具体的にどう〝ストーリーの流れ〟を読めばいいのか? をしっかりと理解してください。
最初に皆さんに質問です。全ての企業、全ての経営は3つの活動から成り立っています。この3つの活動以外は行っていない、と言ってもよいでしょう。では、その3つの活動とは何でしょうか?
1つ目の活動は、「お金を集めること」つまり「調達」です。全ての企業活動はここから始まります。新しく会社をつくる時はまず資本金を入れますが、これもお金を集めるという行為の一つです。
では、お金を集めたら皆さんは次に何をしますか? そう、集めたお金を「運用」するのです。ですから2つ目の活動が「運用」です。そして運用した結果として、「利益」が生まれます。ですから3つ目の活動は「利益を上げる」ことです。
最初に皆さんに質問です。全ての企業、全ての経営は3つの活動から成り立っています。この3つの活動以外は行っていない、と言ってもよいでしょう。では、その3つの活動とは何でしょうか?
1つ目の活動は、「お金を集めること」つまり「調達」です。全ての企業活動はここから始まります。新しく会社をつくる時はまず資本金を入れますが、これもお金を集めるという行為の一つです。
では、お金を集めたら皆さんは次に何をしますか? そう、集めたお金を「運用」するのです。ですから2つ目の活動が「運用」です。そして運用した結果として、「利益」が生まれます。ですから3つ目の活動は「利益を上げる」ことです。
「調達→運用→利益」の順番でストーリーの流れを読め
図に書いてある矢印を見てください。経営の基本的活動には、調達→運用→利益、という流れがあり、利益を上げると、そのお金は元手として「調達」に回る。またそのお金を運用して再び利益を出す。この循環が経営の基本的な流れなのです。
そしてこの、「調達」「運用」「利益」というものが、財務諸表に流れている基本的かつ非常に重要なストーリーなのです。
「どうお金を調達していますか?」「どう運用していますか?」「どう利益を上げていますか?」これを読むのが財務諸表なのです。まずはそのことをしっかり理解してください。
そしてこの、「調達」「運用」「利益」というものが、財務諸表に流れている基本的かつ非常に重要なストーリーなのです。
「どうお金を調達していますか?」「どう運用していますか?」「どう利益を上げていますか?」これを読むのが財務諸表なのです。まずはそのことをしっかり理解してください。
(次回に続く)
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書籍著者:壁谷 英薫さん
愛知県出身。一橋大学商学部在学中三年次に公認会計士試験合格。KPMGあずさ監査法人に入社、監査及びコンサルティング業務に従事。
製造業やサービス業の証券取引法(金融商品取引法)監査、会社法監査、米国上場企業の監査に携わる。大手銀行の国際会計基準の合併監査を手掛ける。入社四年目以降は大手商社などのコンサルティング業務に携わる。
2011年 壁谷公認会計士事務所設立。「子供達の目標となる、輝く大人が溢れる世界の実現」をミッションとして掲げ、会社のミッションとビジョンを作成し、ビジョン実現のための戦略作り、体制づくりの経営コンサルティングを会計面、経営面、税務面から提供している。
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