産業界が求めるプログラミング人材。ロボ団で自分ののキャリアを拓く【ロボ団の法則 子どものチャレンジを引き出すプログラミング教室の仕掛け】

【第3回】本連載は、ロボットプログラミング教室「ロボ団」を運営している重見彰則さんによる書籍『ロボ団の法則 子どものチャレンジを引き出すプログラミング教室の仕掛け』から、課題発見力と創造力、そして課題を解決するソリューションを生み出す力を培うロボ団のメソッドをお伝えします。

本連載は、書籍『ロボ団の法則 子どものチャレンジを引き出すプログラミング教室の仕掛け』(重見彰則著、2019年6月発行)を、許可を得て編集部にて再編集し掲載しています。

産業界から求められているプログラミングに長けた人材

ロボ団はミッションとして、「世界でも勝負できる子どもを育てる」を掲げています。
未来を生きる子どもたちに私たち大人ができることは、「選択肢」を増やしてあげることです。プログラミングは、現在社会のインフラになっていますし、今後は多くの仕事で必要とされる素養となるでしょう。
つまり、プログラミングを学ぶことが、将来の選択肢を広げていくことにつながるのです。

技術革新に伴い、国と国との壁はどんどんなくなっています。つまり、日本だけでなく世界で通用する力を備えることが必要になっていると言い換えることができます。
では、世界で活躍する人材を育てるための教育とはどういったものでしょうか。少し国の政策の話なども交え、考えてみたいと思います。

2013年に自民党教育再生実行本部の提言では、「グローバル人材育成のための3本の矢」を掲げました。1本目は、英語教育の抜本的改革。2本目は、イノベーションを生む理数教育の刷新。そして、3本目が国家戦略としてのICT教育(情報通信技術の教育での活用)でした。

ロボ団の本部が教育事業をスタートさせた当初は、学童保育を事業の主体としていました。そしてその学童保育の中では、英語教育を実施していました。
2013年当時、英語教育は実施していたので、あとの理数教育とICT教育も盛り込みたいと考えました。そして、ロボットプログラミング教室をスタートすることにしたのです。

小学校でのプログラミング教育の導入が発表されたのは、2016年の「産業競争力会議」だったので、それよりも断然早くロボ団は子どもたちへのプログラミング教育をスタートさせたのでした。
保護者の中には、「なぜ突然プログラミング教育の必要性が語られるようになったのかしら?」と不思議に思っている方もいらっしゃるかもしれません。
たしかに、日本のプログラミング教育導入論は教育業界の中から出てきたものではないのです。最初は、文部科学省が音頭を取って導入を図ったわけではなく、経済産業省の発信から必要性が協議されることとなったのです。
つまり、産業界からの要請として出てきたのが、プログラミング教育の導入なのでした。この流れだけでも、いかにプログラミングができる人材が社会的に求められているかが伝わるかと思います。

プログラミングとは何か?

そもそも「プログラミングとは何か」がわからないという方も少なくないのではないかと思います。私はおそらく保護者の方と同世代ですが、プログラミング教育など皆無の時代に育ったので致し方ないことです。ちなみに、私自身は、情報系の大学に進んだので、そこではじめてプログラミングに触れました。

この20年間で、私たちの生活は大きく変わりました。iPhoneが登場したのは2007年ですし、SNSが普及したのも2000年代のことです。急速なIT機器やITサービスの進歩、広がりに私たちの知識がついていけていないのです。それだけ、私たちが過渡期の中で生きているということがいえるでしょう。

前置きが長くなりましたが、「プログラミングとは何か」についてご説明していきましょう。
一言でいうと、プログラムはコンピュータを動かす命令のことです。そして、その命令をつくる工程のことをプログラミングというのです。また、専門的なプログラミングを行う人をプログラマーといいます。

コンピュータは、プログラムがなければ動くことができません。身の回りにあるものは、「こうしたら、こうする」という命令のもと動いているのです。
「プログラミング」というと、ものすごく難しいものをイメージする方もいます。たしかに難しいものもあるのですが、中には子どもたちが取り組むのに向いている言語も存在するのです。例えば、私たちが採用しているPythonというプログラミング言語であれば、小学生でも十分にプログラミングをすることができるのです。

ロボ団の法則 子どものチャレンジを引き出すプログラミング教室の仕掛け

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―好きを学びに、社会とつながる―
全国で100教室を超えるロボットプログラミング教室「ロボ団」のビジョン、教育メソッド、その仕組みを知ることができる1冊です。

短期・中期・長期で子どもの成長目標を実現していく

ロボ団では、短期・中期・長期の目標を立てて、プログラミングの技能を高めていくようにしています。少なくとも5年間をかけて、子どもの成長目標を実現していきたいと考えています。
短期的な目標は、子どもたちの「好き」を引き出し、ロボ団の教室に通いたいという気持ちを高めていくことです。小学生にとって楽しいことは、ロボットプログラミングの他にもたくさんあります。しかし、その中でロボ団へ通いたいと思ってもらい、さらに通うことが習慣化することが重要なのです。
もう一つは、算数や理科などの学習に対して前向きになることです。ロボ団でプログラミングをする中で、算数や理科が必要なものだと感じ、ロボットを動かすために「知りたい」と思えるようにしていくことが短期的な目標となります。
中期的な目標は、ロボコンなどに出場して自分の成長を感じることです。
「ダンカップ」という自社主催のロボコンもありますし、国際大会へ続くWROというロボコンもあります。こうした大会に出場してみて、1つ実績をつくると、プログラミングの関心をさらに掻き立て、学びに向かう姿勢がより仕上がっていきます。
教室で積み上げて学んだ成果を、「試合(ロボコン)」で活かしてみること。これが、中期目標です。
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長期的な目標は、社会で生かすことができるPythonというプログラミング言語を身に付けることです。小学校5年生の生徒が、夏休みにPythonでプログラムを100個作って自由研究として提出しました。このようにインプットしたPythonという言語を生かして、自分でアウトプットをする子どもが出てきているのです。
また、ロボ団での学びをキャリアパスに使っていくということも長期目標のひとつです。今年、中学校から高等専門学校に行くことを決めた子がいました。ロボ団での学びから、ものづくりやプログラミングをもっと極めていきたいと考えたそうです。
このように、自分が作りたいものを作れるようになること、そして、自分のキャリアをプログラミングによって拓いていくことが長期的な目標といえます。
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グーテンブック編集部 グーテンブック編集部