本記事の原稿は、都道府県の枠を越えて地域の高校へ進学する「地域みらい留学」事業に取り組んでいる「(一財)地域・教育魅力化プラットフォーム」(以下、地域・教育未来化プラットホーム)の辻田雄祐さんに寄稿していただきました。
(グーテンブック編集部)
この記事の話し手:辻田雄祐さん
神奈川県出身。地域・教育魅力化プラットフォーム参画と同時に島根県に移住。地域みらい留学事業の統括を担当。学生時代・大学職員時代から「子どもが自立しにくい日本社会」に課題感を感じ、親子がお互い自分らしく生きていくうえで、親以外の大人との出会いや地域全体で子どもを育てることの重要性を人生のテーマとして追いかけている。
地域みらい留学とは
地域みらい留学とは、一般財団法人 地域・教育魅力化プラットフォームによる、若者の主体的な学びや地域活性につなげるための取り組みの1つです。
地域みらい留学とは、「都道府県の枠を越えて、地域の学校に入学し、充実した高校生活をおくること」です。
その機会を通して意志ある若者を増やし、また地域を元気にすることを目指しています。
地域みらい留学には現在、2つの仕組みがあります。
1つ目は「地域みらい留学(高校進学)」。これは中学卒業後、地元ではない地域の特色ある高校で3年間を過ごすという選択肢です。
2つ目は「地域みらい留学365(高2留学)」。こちらは高校2年生時の1年間、入学した高校に在籍しながら、地域の特色ある高校に1年間国内留学するという選択肢です。
中学生と高校1年生に向けて、どちらも新しい高校生活の選択肢としてご用意しています。
地域みらい留学とは、「都道府県の枠を越えて、地域の学校に入学し、充実した高校生活をおくること」です。
その機会を通して意志ある若者を増やし、また地域を元気にすることを目指しています。
地域みらい留学には現在、2つの仕組みがあります。
1つ目は「地域みらい留学(高校進学)」。これは中学卒業後、地元ではない地域の特色ある高校で3年間を過ごすという選択肢です。
2つ目は「地域みらい留学365(高2留学)」。こちらは高校2年生時の1年間、入学した高校に在籍しながら、地域の特色ある高校に1年間国内留学するという選択肢です。
中学生と高校1年生に向けて、どちらも新しい高校生活の選択肢としてご用意しています。
地域みらい留学
都道府県の枠を越えて、地域の学校に入学し、充実した高校生活をおくること。
北海道から沖縄まで日本の各地域にある魅力的な学校には、
そこでしかできない体験と新しいチャレンジが待っています。
地域・教育魅力化プラットフォーム
地域・教育魅力化プラットフォームは、意志ある若者が育つ魅力ある教育環境を実現し 新たな人の流れを生む かけがえのない一助となる」というミッションを掲げ、地域みらい留学をはじめとした、地域の高校魅力化に関わる様々なプロジェクトに取り組んでいます。
地域から学校がなくなることは、何を意味するのか
私たち地域・教育魅力化プラットフォームが挑戦するテーマの一つが「地域・社会の持続可能性を高める」です。
若い世代がどんどん外に出て行ってしまうことが課題となっている地域が多くあります。
子どもの数が減り、運営を続けていくことが難しい学校が多数存在しているのが現状です。
実際に私たちが活動を共にしている学校でも、あと3年でつぶれてしまうのではないかと言われるほど、深刻な課題を抱えているところもあります。
このままでは、地域からどんどん学校が消えていってしまいます。地域から学校が消えてしまうと、それは連鎖的に子育て世代が地域から消えてしまうことを意味しています。子どもが将来通える学校が存在しない地域で、子育てをしようと思う人は少ないのではないでしょうか。つまり、これからの地域の未来を担う若者の流出に拍車をかけることにつながってしまうのです。
私たちは、日本の未来の縮図が地域の今にあるのではないかと考えています。
これから先の日本が、東京一極集中により向かっていくのか、地方分散型になるのかは、2025年が分岐点となるという意見もあります。もし東京一極集中の傾向に傾けば、地域の少子高齢化や一次産業の衰退、貧困や格差の拡大などが加速していくでしょう。
東京一極集中や地域の衰退によって、日本が「課題解決後進国」になることは、何とか回避していかなければなりません。
若い世代がどんどん外に出て行ってしまうことが課題となっている地域が多くあります。
子どもの数が減り、運営を続けていくことが難しい学校が多数存在しているのが現状です。
実際に私たちが活動を共にしている学校でも、あと3年でつぶれてしまうのではないかと言われるほど、深刻な課題を抱えているところもあります。
このままでは、地域からどんどん学校が消えていってしまいます。地域から学校が消えてしまうと、それは連鎖的に子育て世代が地域から消えてしまうことを意味しています。子どもが将来通える学校が存在しない地域で、子育てをしようと思う人は少ないのではないでしょうか。つまり、これからの地域の未来を担う若者の流出に拍車をかけることにつながってしまうのです。
私たちは、日本の未来の縮図が地域の今にあるのではないかと考えています。
これから先の日本が、東京一極集中により向かっていくのか、地方分散型になるのかは、2025年が分岐点となるという意見もあります。もし東京一極集中の傾向に傾けば、地域の少子高齢化や一次産業の衰退、貧困や格差の拡大などが加速していくでしょう。
東京一極集中や地域の衰退によって、日本が「課題解決後進国」になることは、何とか回避していかなければなりません。
高校を魅力化することが、地域の力になる
人口減少や高齢化など、地域における課題の深刻さがますます叫ばれるなか、私たちは地域みらい留学事業を通して、「学校」という切り口からそれらの課題を解決していきたいと考えています。
地域の学校が魅力的になっていくことにより、進学する若者が増え、地域で学び成長し、その意志を持った若者がさらに地域を魅力的にしていく……。
つまり、地域が魅力的になっていくことと、高校が魅力的になっていくこととほぼ等しいと考えています。
連載第2回でもお伝えした通り、豊かな自然やそこにしかない文化のなかで過ごす高校生活は、子どもたちにとってかけがえのない経験を与えてくれます。
プロジェクトや日々の暮らしを通して、年齢も背景も異なるさまざまな人たちと触れ合うこともできます。多様な働き方・暮らし方・考え方を持つ人々との出会いによって、子どもたちは新しい価値観を知ることができるでしょう。
外から来た子どもたちが地域に参画してくれることは、もともとその地域に暮らしていた人々にも良い影響を与えます。地域の人々にとって、都心の子どもたちの価値観やアイデアは良い刺激となります。
また、普段は見慣れて気づかなくなっていた自分たちの地域の魅力を、外の人の目を通して再発見することにつながるのです。
地域の学校が魅力的になっていくことにより、進学する若者が増え、地域で学び成長し、その意志を持った若者がさらに地域を魅力的にしていく……。
つまり、地域が魅力的になっていくことと、高校が魅力的になっていくこととほぼ等しいと考えています。
連載第2回でもお伝えした通り、豊かな自然やそこにしかない文化のなかで過ごす高校生活は、子どもたちにとってかけがえのない経験を与えてくれます。
プロジェクトや日々の暮らしを通して、年齢も背景も異なるさまざまな人たちと触れ合うこともできます。多様な働き方・暮らし方・考え方を持つ人々との出会いによって、子どもたちは新しい価値観を知ることができるでしょう。
外から来た子どもたちが地域に参画してくれることは、もともとその地域に暮らしていた人々にも良い影響を与えます。地域の人々にとって、都心の子どもたちの価値観やアイデアは良い刺激となります。
また、普段は見慣れて気づかなくなっていた自分たちの地域の魅力を、外の人の目を通して再発見することにつながるのです。
地域・自治体・学校が一体となり、地域のみらいを作っていく
高校の魅力化は、地域の魅力化につながります。
私たちはこれから、地域みらい留学を通した地方創生をさらに充実させていきたいと考えています。そのために、地域、自治体と学校が協働してさらに魅力的な教育環境づくりができるよう、事業を拡大していく予定です。
地域みらい留学事業として地方創生を目指すには、まだまだ多くの課題があります。
その課題の1つが、参画校の魅力化が持続可能になっていくことです。
これまでは、各学校にすでにある魅力を発信することを中心に関わってきましたが、これからは、魅力的な教育環境づくりのサポートもしていきたいと思っています。
別の地域・学校の施策からヒントが得られることも多々あるかと思います。合同説明会などを実施することで、他参画校から刺激や学びを得る機会を提供したいと考えています。
また、魅力化のPDCAサイクルの構築のために、評価システムの開発・導入も進めています。
現状を見える化することで、自校の魅力・強み、課題・伸びしろ等が明らかになり、目標を設定しやすくなります。その上で経年で結果を見ることで、学校の変化や生徒の成長から、取組みの価値・効果を把握できます。
こうした定量的な結果(エビデンス)をもとに、教職員や地域・行政等の関係者で対話する機会をつくり、次の一手を共創する研修も実施していきたいと考えています。
もう1つの課題は、各学校の目標設定です。
現状は、入学してほしい生徒数の目標数値や求める生徒像を決めきれていない、あるいは具体的に設定していない学校もあります。
効率かつ効果的に県外生徒募集をするために、そのプロセスで学校、自治体、地域が連携して、「なぜ県外生徒を募集しなければならないのか」「どのぐらいの生徒に入学してほしいのか」「どんな生徒に入学してほしいのか」など地域の未来を考えることが大切だと考えています。
「高校魅力化」を「地域魅力化」につなげていくためには、学校と自治体と地域が三位一体となり、同じ方向を向くことが不可欠です。
そのための適切なサポートを行うことが、私たちの役割だと考えています。
私たちはこれから、地域みらい留学を通した地方創生をさらに充実させていきたいと考えています。そのために、地域、自治体と学校が協働してさらに魅力的な教育環境づくりができるよう、事業を拡大していく予定です。
地域みらい留学事業として地方創生を目指すには、まだまだ多くの課題があります。
その課題の1つが、参画校の魅力化が持続可能になっていくことです。
これまでは、各学校にすでにある魅力を発信することを中心に関わってきましたが、これからは、魅力的な教育環境づくりのサポートもしていきたいと思っています。
別の地域・学校の施策からヒントが得られることも多々あるかと思います。合同説明会などを実施することで、他参画校から刺激や学びを得る機会を提供したいと考えています。
また、魅力化のPDCAサイクルの構築のために、評価システムの開発・導入も進めています。
現状を見える化することで、自校の魅力・強み、課題・伸びしろ等が明らかになり、目標を設定しやすくなります。その上で経年で結果を見ることで、学校の変化や生徒の成長から、取組みの価値・効果を把握できます。
こうした定量的な結果(エビデンス)をもとに、教職員や地域・行政等の関係者で対話する機会をつくり、次の一手を共創する研修も実施していきたいと考えています。
もう1つの課題は、各学校の目標設定です。
現状は、入学してほしい生徒数の目標数値や求める生徒像を決めきれていない、あるいは具体的に設定していない学校もあります。
効率かつ効果的に県外生徒募集をするために、そのプロセスで学校、自治体、地域が連携して、「なぜ県外生徒を募集しなければならないのか」「どのぐらいの生徒に入学してほしいのか」「どんな生徒に入学してほしいのか」など地域の未来を考えることが大切だと考えています。
「高校魅力化」を「地域魅力化」につなげていくためには、学校と自治体と地域が三位一体となり、同じ方向を向くことが不可欠です。
そのための適切なサポートを行うことが、私たちの役割だと考えています。
(連載第4回へつづく)
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