本連載は、書籍『やってみてわかった子育て夫婦のテレワーク−進化を止めるな!テレワークで見つけた「これからの私」−』(2021年5月発行/著者:ikumado)の一部を、許可を得て抜粋・再編集し収録しています。
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【本記事はこちらの書籍からご紹介しています】やってみてわかった子育て夫婦のテレワーク
¥902
■今こそ、男女分業への思い込みを解消する!
緊急事態宣言によって突然始まったテレワーク。これまで仕事も家庭も大切にしようと過酷な共働きを続けてきた私たちにとって、ピンチでもありチャンスでもあるのではないでしょうか。
本書では、「家族のそばで仕事をする」という経験が共働き夫婦にもたらした変化を、実際のエピソードを通して紹介しています。
いま仕事と家族の関係に悩みながら子育て中の方、そして企業で人事部やマネジメント職にいらっしゃる方にも参考にしていただける内容が詰まっています。
緊急事態宣言によって突然始まったテレワーク。これまで仕事も家庭も大切にしようと過酷な共働きを続けてきた私たちにとって、ピンチでもありチャンスでもあるのではないでしょうか。
本書では、「家族のそばで仕事をする」という経験が共働き夫婦にもたらした変化を、実際のエピソードを通して紹介しています。
いま仕事と家族の関係に悩みながら子育て中の方、そして企業で人事部やマネジメント職にいらっしゃる方にも参考にしていただける内容が詰まっています。
やってみてわかった子育て夫婦のテレワーク〜テレワークで見つけた「これからの私」
連載第1回~3回の記事は、こちらからご覧いただけます。
子供と親の関係は、コロナ禍でどう変化したのか
テレワークを考える3つのテーマの最後は、「子供」です。
最終回では、テレワークがもたらした共働きの親と子供との関係について考えていきます。
最終回では、テレワークがもたらした共働きの親と子供との関係について考えていきます。
幼児期の子供:ポジティブな変化
子供自身は結構幸せそう
幼児期は、まだ自分だけの世界が比較的少ない分、子供側は純粋に「ママ・パパと1日中一緒にいられてうれしいなぁ!」と感じている子がほとんどのように見えました。
私が子供を連れて家の近辺を散歩している際、路上で何人もの子連れのママ(私と同様に、子供を散歩させている)と世間話をしましたが、「保育園・幼稚園に行きたい!」と泣いて困る、という話は出ませんでした。
ある4歳の女の子は「幼稚園より、ママと一緒にいる方が楽しいもん!」と言いながらうれしそうにぴょんぴょんと飛び跳ねていました(お母さん側は「もう4歳なので、お昼寝もしないからかなり過酷です……」と、小声でおっしゃっていましたが)。
私(中村)の娘も、自宅保育になったことで娘自身の様子に何か悪い変化が現れるということは私が感じる限り何もなく、自宅遊びを楽しんでいたように思えます。
私が子供を連れて家の近辺を散歩している際、路上で何人もの子連れのママ(私と同様に、子供を散歩させている)と世間話をしましたが、「保育園・幼稚園に行きたい!」と泣いて困る、という話は出ませんでした。
ある4歳の女の子は「幼稚園より、ママと一緒にいる方が楽しいもん!」と言いながらうれしそうにぴょんぴょんと飛び跳ねていました(お母さん側は「もう4歳なので、お昼寝もしないからかなり過酷です……」と、小声でおっしゃっていましたが)。
私(中村)の娘も、自宅保育になったことで娘自身の様子に何か悪い変化が現れるということは私が感じる限り何もなく、自宅遊びを楽しんでいたように思えます。
幼児期の子供:ネガティブな変化
遊びの幅がせばまる
外出自粛の中では「子供の大切な幼少期に、どうやって遊ばせてあげようか」というのが大きな課題でした。
言わずもがな、子供は遊びから多くを学びます。玩具だけでなく、遊ぶ場所の風景や出会うお友達、動物、虫など……。
できるだけ多くのものに触れさせてやりたいと思うのが親心ではないでしょうか。
しかしどうしても、自宅や自宅近辺で、しかも人を避けての遊びでは限界がありました。
この影響が将来どのように出るのか、また出ないのかはわかりませんが、気にかかる点です。
言わずもがな、子供は遊びから多くを学びます。玩具だけでなく、遊ぶ場所の風景や出会うお友達、動物、虫など……。
できるだけ多くのものに触れさせてやりたいと思うのが親心ではないでしょうか。
しかしどうしても、自宅や自宅近辺で、しかも人を避けての遊びでは限界がありました。
この影響が将来どのように出るのか、また出ないのかはわかりませんが、気にかかる点です。
生活リズムが乱れがちになる
自宅や自宅近辺だけで過ごしていると、色々な場所へ出かけ、多くの人に出会っていたと比較して、「場所」と「時間」の区切りがつけにくくなり、生活リズムが乱れがちになるという意見がikumado内でちらほらと聞かれました。
これまで知らず知らずのうちに、子供の生活リズムをコントロールしてくれていた要素が突然ごそっと消失したことで、その役割を親が担わざるを得なくなりました。
これまで知らず知らずのうちに、子供の生活リズムをコントロールしてくれていた要素が突然ごそっと消失したことで、その役割を親が担わざるを得なくなりました。
学齢期の子供と親との関係
コロナ前は、共働き家族の子供にとって、親は「片方と一緒にいる」ことが多かったのではないでしょうか。朝の送り、夜の迎えも担当を決めて交代制にしていることがほとんどです。
また、休日にも、どちらかが子供の世話をしている間にどちらかが家事をする、という分担制でなんとか短い家族の時間に子育てと家事をまとめて済ませることが必要だからです。
また、休日にも、どちらかが子供の世話をしている間にどちらかが家事をする、という分担制でなんとか短い家族の時間に子育てと家事をまとめて済ませることが必要だからです。
コロナ後、両親と子供たちが初めて多くの時間を一緒に過ごしました。緊急事態宣言によって、小中学校は即時休校になりました。
また、感染の危険を考えると、友達との外遊びや、友人宅での遊びなどもできなくなりました。学齢期で、ある程度親と離れる時間がある子供が、自宅謹慎にも近い形で過ごすことになり、両親と共に長い時間を共に過ごすことになりました。
また、感染の危険を考えると、友達との外遊びや、友人宅での遊びなどもできなくなりました。学齢期で、ある程度親と離れる時間がある子供が、自宅謹慎にも近い形で過ごすことになり、両親と共に長い時間を共に過ごすことになりました。
学齢期の子供:ポジティブな変化
仕事、家事(特に料理)の大変さに気づいた
コロナ前は、子供たちは父、母の仕事をする姿を見たことがありませんでした。職場は家庭とはまったく別の空間で、子供たちの世界から切り離されていました。
また、掃除や洗濯、子供のお弁当づくりや料理の作り置きなどは子供が寝ている時や土日に出かけている時にするこ)とが多く、目に見えていませんでした。
コロナ後は、親がテレワークで会議をしている様子や、集中して作業する様子を見て、仕事を「大変だ」と思うようになったとうちの息子たちは言っていました。
また、目の前で3食つくることになったことで、子供が見かねて手伝いをするようになりました。私(千木良)は我が家の高校2年と中学2年の息子を昼食づくりに巻き込みました。私、長男、次男、と代わりばんこに担当し、つくらなかった人が皿洗いを担当しました。
子供たちのおかげで、昼に余裕が持てただけでなく、料理の時にアドバイスを求められ、色々教える中でコミュニケーションがはかれたことはとても良い思い出になりました。
また、掃除や洗濯、子供のお弁当づくりや料理の作り置きなどは子供が寝ている時や土日に出かけている時にするこ)とが多く、目に見えていませんでした。
コロナ後は、親がテレワークで会議をしている様子や、集中して作業する様子を見て、仕事を「大変だ」と思うようになったとうちの息子たちは言っていました。
また、目の前で3食つくることになったことで、子供が見かねて手伝いをするようになりました。私(千木良)は我が家の高校2年と中学2年の息子を昼食づくりに巻き込みました。私、長男、次男、と代わりばんこに担当し、つくらなかった人が皿洗いを担当しました。
子供たちのおかげで、昼に余裕が持てただけでなく、料理の時にアドバイスを求められ、色々教える中でコミュニケーションがはかれたことはとても良い思い出になりました。
学校にいけない子が生き生きした「学校という場」からの解放
子供にとって「学校に行くことが勉強すること」「帰宅後が家族の時間」という二分化が、自宅で好きな時間にオンライン学習をすることで、多層化し始めました。
私の息子は中学2年生で、小学校高学年から不登校になりました。きっかけは卒業式の練習です。号令に合わせて立つ、座る、歌う、歩く、それをきちんとできるように何時間も練習することに嫌気がさしたのです。彼にとっていろんなことがだんだん我慢できなくなっていきました。
「なぜ1分も遅れず学校に行かねばならないのか?」「なぜすでに書ける漢字を何回も宿題で書かないといけないのか?」という質問に、親として答えることができませんでした。
コロナ後に起きた、時間と空間を拘束する価値観からの解放は、私の息子を生き生きとさせました。オンライン教育で自分のペースで勉強ができるようになりました。学校に登校できるようになったあとも、オンライン教育の進歩が戻らず進むことを切に希望します。
私の息子は中学2年生で、小学校高学年から不登校になりました。きっかけは卒業式の練習です。号令に合わせて立つ、座る、歌う、歩く、それをきちんとできるように何時間も練習することに嫌気がさしたのです。彼にとっていろんなことがだんだん我慢できなくなっていきました。
「なぜ1分も遅れず学校に行かねばならないのか?」「なぜすでに書ける漢字を何回も宿題で書かないといけないのか?」という質問に、親として答えることができませんでした。
コロナ後に起きた、時間と空間を拘束する価値観からの解放は、私の息子を生き生きとさせました。オンライン教育で自分のペースで勉強ができるようになりました。学校に登校できるようになったあとも、オンライン教育の進歩が戻らず進むことを切に希望します。
学齢期の子供:ネガティブな変化
外にいけないストレス
特に思春期の子供にとって、自宅という空間に閉じ込められる状態はストレスが大きかったようです。
友人とのリアルの関わりが無くなり、バーチャルな関わりはLINEが中心に、特に男子についてはオンラインゲームを中心に行われたように感じています。
ゲームをしながら携帯で友達と通話して一緒にクエストをこなす姿は、楽しそうに見えると同時に、ゲームへの依存をさらに深めているようにも見えました。親として、ゲーム時間の増加や激しい言葉(「死ね」などと叫ぶこと)はストレスになり、子供との軋轢になりました。
子供とどれだけ一緒の時間を過ごすべきなのか、は共働きの親にとっては永遠の命題です。
今回の経験が、各家庭、各親子において、子供と距離感には色々あることに気づくきっかけになったのではないでしょうか。ある意味極限状態の中、家族として究極の近さを感じた経験を活かし、これからの家族の在り方を考えていけると良いと思います。
友人とのリアルの関わりが無くなり、バーチャルな関わりはLINEが中心に、特に男子についてはオンラインゲームを中心に行われたように感じています。
ゲームをしながら携帯で友達と通話して一緒にクエストをこなす姿は、楽しそうに見えると同時に、ゲームへの依存をさらに深めているようにも見えました。親として、ゲーム時間の増加や激しい言葉(「死ね」などと叫ぶこと)はストレスになり、子供との軋轢になりました。
子供とどれだけ一緒の時間を過ごすべきなのか、は共働きの親にとっては永遠の命題です。
今回の経験が、各家庭、各親子において、子供と距離感には色々あることに気づくきっかけになったのではないでしょうか。ある意味極限状態の中、家族として究極の近さを感じた経験を活かし、これからの家族の在り方を考えていけると良いと思います。
最後に 仕事・パートナー・子供、3つの未来を重ね合わせて、自分はどうするか?
本連載では、「私と仕事」「私とパートナー」「私と子供」の3つのテーマで「子育てや働き方をどのようにしたいか」という本質的な問いの答えを探してきました。
この問いには正解があるわけではありません。ただ、コロナ禍の以前には経験できなかった濃密な家族の時間を過ごしたことで「仕事と家庭」のバランスの軸の取り方が、今までよりも見えてきたのだと思います。
それぞれの家庭、親子でバランスをどうとるか。思い込みにとらわれずにコミュニケーションを取り、ベストバランスを考えていくことが「運命共同体」としての家族の絆になるのではと思いました。
「変えられない」という思い込みを外して「どう変えたいのか」をこれからも実現していきましょう。私たちひとりひとりの変化が、社会全体の転換期につながっていきます。
家族という一番小さなコミュニティの中の変化を止めずに、未来を考えていきましょう。
この問いには正解があるわけではありません。ただ、コロナ禍の以前には経験できなかった濃密な家族の時間を過ごしたことで「仕事と家庭」のバランスの軸の取り方が、今までよりも見えてきたのだと思います。
それぞれの家庭、親子でバランスをどうとるか。思い込みにとらわれずにコミュニケーションを取り、ベストバランスを考えていくことが「運命共同体」としての家族の絆になるのではと思いました。
「変えられない」という思い込みを外して「どう変えたいのか」をこれからも実現していきましょう。私たちひとりひとりの変化が、社会全体の転換期につながっていきます。
家族という一番小さなコミュニティの中の変化を止めずに、未来を考えていきましょう。
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■今こそ、男女分業への思い込みを解消する!
緊急事態宣言によって突然始まったテレワーク。これまで仕事も家庭も大切にしようと過酷な共働きを続けてきた私たちにとって、ピンチでもありチャンスでもあるのではないでしょうか。
本書では、「家族のそばで仕事をする」という経験が共働き夫婦にもたらした変化を、実際のエピソードを通して紹介しています。
いま仕事と家族の関係に悩みながら子育て中の方、そして企業で人事部やマネジメント職にいらっしゃる方にも参考にしていただける内容が詰まっています。
緊急事態宣言によって突然始まったテレワーク。これまで仕事も家庭も大切にしようと過酷な共働きを続けてきた私たちにとって、ピンチでもありチャンスでもあるのではないでしょうか。
本書では、「家族のそばで仕事をする」という経験が共働き夫婦にもたらした変化を、実際のエピソードを通して紹介しています。
いま仕事と家族の関係に悩みながら子育て中の方、そして企業で人事部やマネジメント職にいらっしゃる方にも参考にしていただける内容が詰まっています。
著者:千木良(堀添)直子
育休&共働きコミュニティikumado代表/株式会社COEO 代表取締役/ 2児の母。リクルートで育休を2回取得した際の社会との隔絶感を社会課題と感じ、2018年に「育休&共働きコミュニティ ikumado」を立上げた。2021年3月現在、500名のメンバーが参加し、週に2~3回のオンラインイベントが行われている。今後はチームでプロジェクト型の複業を担う事業で創業予定。国家資格キャリアコンサルタント。
著者:中村 友美
ikumado運営メンバー/中小企業向け営業企画支援 CLEAR WATERS代表 1児の母。日本放送協会(NHK)や大手広告代理店などでの会社員経験を経て、夫の仕事都合による海外移住を機にフリーランスに転向。海外での出産・育児で孤独感に苛まれていた際、ikumadoに出逢って救われる。2020年に帰国し、中小企業の営業・マーケティング・業務フロー構築を支援するCLEAR WATERSを設立。仕事の傍らikumado運営に携わる。
ikumado – 育休&共働きコミュニティ
子供が産まれても、社外のいろんなひとと自分軸の話をしたい男女が集まる参加無料のコミュニティです。イベントは主に「ZOOM」を使っていますので、自宅にいながら気軽に参加できます。内容は、キャリア、ビジネス、ワークライフバランスなど。共感いただける方、ぜひFacebookでつながりましょう!
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