知らないと割りを食う? 電力自由化のメリットとデメリット

【連載第5回】2016年4月からスタートした「電力自由化」について、図解も交えて分かりやすく解説する本連載。今回は、個人も企業も知っておくべき「電力自由化のメリットとデメリット」について『かんたん解説!! 1時間でわかる電力自由化入門』の著者、江田健二さんに話していただきました。

自由化により、倒産する会社も現れる?

電力自由化により生じるデメリットがもう一つあります。それは、新規参入会社の乱立と同時に、倒産する電力会社が数多く出てくるという可能性です。
これは海外で実際に起こっているのですが、例えば、ある企業が「わが社は、いままでの半額で電気を提供します」と言って鳴り物入りで新規参入してきて、一気に顧客を獲得します。ところが実際には顧客対応などの作業が追いつかなかったり、資金繰りが追いつかなかったりして、結局「すみません、今月で電気事業から撤退します」となるのです。

そのようなことが起こっても、顧客は電気を使わないわけにはいかないので、次の電力会社を探し契約をするまでの一定期間、地域の公共団体などが発電している割高な電力を利用せざるを得なくなるといったことも考えられます。このように、せっかく得だと思って選んだ電力会社がある日突然潰れてしまって、顧客が大迷惑するといった事態が起こらないとも限りません。特に工場利用の電気をそのような電力会社と契約してしまった企業は、大きな損害を被ります。

今後、電力会社によってはかなり強引に営業をかけてくることもあるかもしれません。そういった会社は破綻してしまう可能性が高いと考えられますし、それらが続々と潰れてしまうと、社会的にも大きな影響が出てきます。既存の大手電力会社が倒産することは考えにくいですが、新規参入して勢いよく入ってきたものの、結局失速してしまうという電力会社が数多く出てくる可能性があります。
したがって、今後は消費者も自分でよりよい電力会社を選択する目を養っていかないと、電気料金で割を食うだけでなく、生活に大きなダメージを受けるリスクがあるのです。

(次回に続く)
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グーテンブック編集部 グーテンブック編集部