IBM Sustainability Software

はじめまして。IBM Cognitive Applicationsです。

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IBM Cognitive Applications(コグニティブ・アプリケーションズ) 事業担当の村澤です。

IBMとお付き合いいただいているすべてのお客様、そしてIBMに興味や関心をお持ちいただき、このソリューションブログをご覧いただいている皆様に、深くお礼申し上げます。いつもありがとうございます。

 

私どもの事業部は、今年「AI Applications」から「Cognitive Applications」へとその名称を変更いたしました。今回、その理由や背景をお伝えさせていただくと共に、私どもの意気込みや想いに少々お時間をいただきたく、筆を取らせていただきました。

少々長くなりますが、今お伝えさせていただくことに意味があるのではないかとも思っており、どうかしばらくお付き合いいただきますようお願いいたします。

 

新たな「忘れ物」や「後回し」を作ってしまわないために

「何年もかかるデジタル変革が数カ月で起きた」と多くの企業トップが語るように、2020年は、新型コロナウイルスによる未曾有の事態に、ハンコ文化や都心部の「痛勤」電車など、これまで当たり前とされてきたビジネス慣習がガラリとその様相を変えた年でした。

そしてそれは、これまで後回しにしてきたことが浮き彫りにされたことを象徴した年だったとも言えるのではないでしょうか。

 

そして2021年。「2050年までに脱炭素社会を実現する」という菅総理大臣の所信表明演説に背中を押されたかのように、製造、流通をはじめとしたあらゆる産業のゼロ・エミッションへの取り組みが、年初からメディアを通じて毎日のように紹介されています。

2030年をターゲットにしたSDGs(持続可能な開発目標)への興味関心もさらに高まり、企業の今と未来の価値を評価する指標として「トリプルボトムライン(環境・社会・経済)」にも一層注目が集まっています。

こうした30年先へ向けた取り組みが「夢物語り」ではなく、今求められている行動として認識されるようになったこと — 私はそこに、去年1年間の価値変容のすべてが込められているような気がしています。

コロナ禍をきっかけに大きく揺さぶられた人びとの固定観念が、慎重さに重きを置き過ぎ、とかく「これまでの慣習」に引きずられがちだった私たち、そして日本社会を、大きく進化させる絶好の機会が到来しているのではないでしょうか。

 

一方で、私は変化のうねりがどんどん大きくなる中、大きな危機感もどこか感じてもいます。
「過去をしっかり省みる前に目の前に現れるものに飛びついてよいのだろうか」と。
それは、新たな「忘れ物」や「後回し」を作ってしまうことになりはしないのだろうか、と。

 

共創パートナーとして
未来を見据えたグランドデザインを一緒に
■ ■

価値創出の中心がデジタルへと移行していることを適切に捉え、コミュニケーションや販売機会などの顧客接点にデジタルを活用することはもちろん、業務オペレーションや製造・物流、品質管理や戦略策定まで、オペレーションのすべてをデジタルのスピード感へと適応させていく — こうした、いわゆる「デジタル変革」を着実に進めてきた企業が、欧米、アジア、アフリカや中東など、世界中でその強みを発揮しています。

一方、日本国内では、デジタル変革が部分最適的に進められた結果、未来へ向かうための「グランドデザイン」を支援するIT基盤はすっかり霞んで見えなくなり、パッチワークのように継ぎはぎになったシステムが企業独自のDX化推進の足かせになってしまっている…今の日本社会はそんなふうに私の目に映るのです。

そうした状況は、我われIT業界も含め、「未来」よりも 「過去の慣習」に、また「現在」に重きを置きすぎてしまった日本の社会/ビジネス界全体の取組み姿勢にもその要因があるのではないのかと思うのです。

 

世界は今、前述のデジタル変革を継続して進めるだけではなく、「GX」とも呼ばれている「グリーン・トランスフォーメーション」に挑もうとしています。

日本企業も今こそ、自社の強みをより深く見つめ直して自分たちの目指す世界観と持っている技術を磨き上げ、デジタル変革とグリーン変革を共に推進する共創パートナーとしてIT企業を選び出すときではないでしょうか。

 

データ駆動と未来予知を真の意味での豊かさに
■ ■ ■

お客様が真に必要としているサービスを、従来とは異なるスピード感で実現するために、日本IBMは今年大きな営業モデル改革を行いました。IBMとして掲げた個々の計画を理念どおりに実現するために、また変革に挑むお客様に共創パートナーと認めていただくために必要な社内変革であると私は確信しています。

そしてその変革に伴い、我われCognitive Applications事業部では、以下の取り組みを加速させていきます。

 

  1. 資本集約型産業への統合型デジタル変革プラットフォームの提供
  2. モノづくり大国日本のエンジニアリング・モデル/プロセスを、次世代付加価値創造エンジニアリング・プロセスへと進化させること
  3. 日本の社会課題を解決するためのパートナーシップの促進と、デジタル活用プラットフォームの提供

 

1の「資本集約型産業のデジタル変革プラットフォーム」とは、エネルギー産業や鉄道、食品などの社会インフラや大型工場のヒト・モノ・コトに関する情報を、一元管理するプラットフォームです。AIやIoT、高精度気象データなどによりかなり高確度となった未来予知能力を用いて、設備管理やオペレーションを最適化へと近づけていきます。

 

2の「次世代付加価値創造エンジニアリング・プロセスへの進化」は、日本の誇るモノづくりのエンジニアリング・モデル/プロセスを、メカ・エレクトロニクス・アプリケーション+サービスの組合せにより、価値創造を実現する次世代付加価値創造エンジニアリング・プロセスへと進化させることです。これまで分断化されていたデータの「動脈」をつなぎ合わせ、AIにより洞察を導きだします。

 

3の「社会課題解決プラットフォーム」は、現代社会に生きる一人ひとりが持つ様々な異なる欲求を満たし、生きやすい社会を作り上げるためのサービス提供を目指すものです。現在、真の意味での「豊かな社会」「豊かな暮らし」を実現するための基盤整備を、東京電機大学 知的情報空間研究室や長野県小谷村さまをはじめとした共創パートナーと産学官民連携で進めていますが、今年は一層のスピード感を持って実現したいと考えています。

 

深く強く早く分かりやすく
お客様と社会の本質的な期待に応える

■ ■ ■ ■

最後に、上記3つの取り組みを進めるための推進力を強めるチームとテクノロジーについて紹介させていただきます。

まず、今年新たに私どもの組織に加わったのが、ブロックチェーンとワトソンヘルス(Watson Health)というテクノロジー・ソリューションと、それを操るプロフェッショナルチームです。昨年までもそれぞれ別のチームとして協力を進めていましたが、これからは完全一体チームとして、深く強いコラボレーションでお客様にサービスを提供していきます。

そして彼らの知見とソリューションを、より早く分かりやすく可視化していくのが、事業部内に昨年編成されたラピッド・プロトタイピングのプロフェッショナルチーム「VAG(バリュー・アッド・ゲートウェイ)」です。

さらに、昨年より事業部に加わった世界最高精度を誇るウェザー・ソリューションチーム、そして事業部発足時から屋台骨を支えるIoTとAIを基盤にしたソリューションチームと、全員が縦横無尽にコラボレーションし、お客様の本質的な期待に向き合い、事業体の持つ強みをさらに生かす、あるいは新たに生みだす活動を共に進めていきたいと考えております。

 

私たちIBM Cognitive Applications事業部は、この2年間で2回名前を変更しました。しかし、そこで達成したいことはまったく変わっていません。

「ビジネス環境・社会環境の変化に対応し、データとAI をはじめとするデジタル技術を存分に活かしてお客様や社会の課題を解決していく。」

— そのためのパートナーとして、ぜひ私どもをご活用いただけますよう、今後も何卒引き続きよろしくお願いいたします。

 

 

問い合わせ情報

お問い合わせやご相談は、Cognitive Applications事業 にご連絡ください。

 

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