マンション内の事故や騒音への正しい対応は?日常生活で無視できないトラブル解決のヒント【マンション管理のトラブルQ&A】

【連載最終回】マンションは多くの人にとって一生の買い物ですが、買っただけで終わりではなく、管理が必要です。しかも、様々な考えを持つ方々で管理していくため、トラブルや悩みは尽きません。 マンション管理特化型Q&Aサイト「みんなの管理組合.com」に寄せられた相談や疑問に、マンション管理士として10年以上の経験を持つ祖堅さんが、専門的な立場ばかりでなく、マンション組合員、住民としての立場からもアドバイスをした、実践的な回答をまとめました。

本連載は、書籍『わかった! 得した! マンション管理 疑問・トラブル解決ガイド ―実例250選 Q&Aで学ぶ管理組合のための問題解決ブック―』(2017年9月発行)を、許可を得て編集部にて再編集し掲載しています。
誰もが使用する駐車場や駐輪場に関するトラブル。マンション内で発生した事故に対する責任の所在。絶対的な解決策がない、騒音問題。
これらの問題は、どんなマンションでも発生し得る、身近なトラブルですが、発生時にはどのように判断し、対応すべきなのでしょうか?

Q.駐輪場がいっぱいで困っています。対処法は?

最近車離れということもあってか、1家に数台、1人1台くらいの割合での自転車を使っているように感じます。
私が住んでいるマンションでも同様で、駐輪場に収まりきらない量の自転車があり、来客用駐輪場もいっぱいの状態です。
来客用も住民用の駐輪場と併設されているのですが、入り口の方まで停まっている状態で、出し入れ(特に朝の出勤・通学の時間帯)に込み合ってしまいます。
管理員さんが毎朝整理している様子ですが、結局帰ると同じ状態です。何か良い対策はありませんか?

A.まず管理をしっかりと

駐輪場の管理はどうしていらっしゃいますか。
ステッカー等でしっかり管理して、駐輪場が空いていない場合には、購入を待ってもらうなども今後の対策としてお考えになられたらいかがでしょうか。
明確なルールがない状態で生活することで居住環境に不都合が生じている場合、管理人や管理組合に管理方法の変更を相談することが問題の解決につながりそうです。

Q.マンション内駐車場の利用期限を決めているか

当マンションは築20年、5階建て12戸の小さなマンションです。
1階部分がピロティになっていて、駐車スペースが3台分ありすべて契約中です。車は車種が変わりましたが利用している人は入居当初から変わっていません。

私自身は車を所有していないので全く気にならなかったのですが、最近引っ越してこられた方が、駐車場を同じ人がずっと使っているのは不公平だと言い始めました。
その人がいうには、他のマンションでは駐車場の区画を毎年抽選で見直しているのだとか。確かに契約中の3人の方以外は近隣の駐車場を借りていますが、今まで誰も文句を言ってきた人はいないので、少しびっくりしています。
契約期間を何年とか区切って、そのたびに抽選で利用者を決めていらっしゃるマンションは多いのでしょうか。

A.それほど不公平には思えません

駐車場の使用方法はそれぞれのマンションで決めることですから、こうしなさいという事はありません。
確かに駐車場が足りないと不公平に感じてしまいますよね。でも、毎年抽選しているところはあまりないのではないでしょうか。抽選に漏れてしまって、すぐに別の駐車場が見つかるとは限らないですし、そのたびに車庫証明も必要になるわけですよね。

現契約者が、必要がなくなったとか、転居する以外は、空待ちは仕方ないように思います。
近くの駐車場を管理組合が借りて、台数の確保をするなどという事も考えられますが、そこまでしなくてもいいのではないでしょうか。
不公平と言ってもその3人の方は使用料を払っているのですから、それほど不公平だとも思えません。
駐車場の使用方法について、必須ルールはないということなのですね。
住民全員が不満を持たないルールは難しいかもしれませんが、できるだけ多くの住民から理解・賛同を得られるルールを作っていくことが重要になりそうです。

わかった! 得した! マンション管理 疑問・トラブル解決ガイド ―実例250選 Q&Aで学ぶ管理組合のための問題解決ブック―

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マンションは多くの人にとって一生の買い物ですが、買っただけで終わりではなく、管理が必要です。本書は、実際に寄せられたマンション管理についての250の質問への回答をまとめたものです。
今さら聞けない基本的な質問から、法律に関わる専門的な悩みまで、マンション管理士として10年以上の経験を持つ著者が、一つひとつ丁寧にアドバイスします。

Q.クリスマスツリーでの事故が起こった場合の対応は?

組み立て式のクリスマスツリーを飾っていました。子供が電飾用のコードに足を引っかけ転んでしまいました。幸いけがはなかったのですがツリーが壊れてしまいました。
もし、けがをしてしまったら治療費は管理組合が払う事になるのでしょうか? 今回ツリーを壊した方には請求せずに管理組合で処理しようと理事会に図ろうと思いますがいかがでしょうか?

A.管理組合の事故防止対策の不備です

ツリーを設置する時に事故防止対策をとられていなかったのではないでしょうか。
幸いけががなかったとのことですが、もしけがをされていたら当然組合の責任となります。
ツリーが壊れたことをどうしようかなどと言っている場合ではなく、安全確保しなかった組合の責任を考えるべきではないでしょうか。壊れたツリーの代金を壊した方に請求するのはお門違いではないでしょうか。
事故防止対策をとっていなかった組合の責任ですから、今後このようなことのないよう十分に検討していただきたいと思います。

Q.マンションの騒音苦情にはどう対処すればいいか

マンションの理事長をしています。騒音問題で苦情を言っている人がいます。
以前は階上の人に苦情を言っていたのですが、最近はその隣人についてまで疑っているようで家族構成とか聞いてきます。個人の情報は言えませんと断っています。同じような質問を管理員にもしています。

居住者間の問題にどこまで理事会は関わっていくべきでしょうか? このような時は皆様のマンションではどうされていますか? アイデアをいただけませんでしょうか?
築5年の70所帯のマンションです。小さいお子様が多いマンションです。

A.匙加減が必要です

騒音問題は一番解決策のない困った問題です。
原因がはっきりしていればまだ対処できるのですが、音はどこから回ってくるかわからないことが多いものです。音がするといって上の部屋に苦情を言いに行ったら誰もいなかったなどという件もありました。

理事会に苦情が来た場合には、管理会社とか理事長さんが「苦情がきているのですがお心当たりはありませんか?」くらいに軽く注意に行かれることが多いです。
管理会社によっては全く関わらないと決めているところもありますが、それはちょっと会社の保身だけを考えているように思います。

この問題に理事会として関わるにしても「匙加減」が必要で、あまりに関わりすぎると理事会ですべて解決しなければいけない、又は苦情を言ってきた方がそう思い込んでしまう場合もありますので気を付けてください。
ある程度まで対応をしたら、それ以上は理事会ではどうにもできませんということを言えるようにしておいた方がいいでしょう。
苦情を言ってくる方のガス抜きも大切ですが、基本的には個人間の問題になると思います。

原因の部屋の方が故意又は不注意で騒音を出しているのでしたら組合として注意できますが、よほど周りへの被害がひどくなければそれ以上はできません。
最悪、裁判となっても個人同士のことになります。裁判とまではいかなくても、どちらかが出て行くことになってしまう事もあります。家族構成などを教えないという事は正解だと思います。

余談ですが、苦情を言ってくる方はあまりご近所とお付き合いがないのでしょうか。
70戸ぐらいですと、自然にどこのお宅が何人とか、お子さんを見たら、○○さんのお子さんだなんてとわかるものだと思うのですが。このような問題もコミュニティーが成熟すれば軽減するとは思います。難しいですね…
騒音問題は基本的に個人と個人の問題であり、管理側は深入りしない、という姿勢がトラブルの複雑化を防ぐということですね。
故意に発生させている音でない限り、苦情を言った側、言われた側どちらにも肩入れせずに対応する必要がありそうです。

わかった! 得した! マンション管理 疑問・トラブル解決ガイド ―実例250選 Q&Aで学ぶ管理組合のための問題解決ブック―

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