「ダウン症×1,000の仕事を創る」プロジェクトが目指す、人があたりまえに感謝され生きられる世界【連載1回目】

本連載では、ダウン症をはじめとした障がいを持つ方々が家族や企業と連携し、彼ら自身がリーダーとなって様々な社会課題解決に取り組みながら「本人と親の自立」を目指すプロジェクト「Well-Beingプロジェクト」についてご紹介させていただきます。

次に親の視点での課題になります。親となって一番痛感するのが、圧倒的に周囲の方に「(ご迷惑をおかけして)すみません!」という言葉を発する機会が増えた事です。

これはママさんの集まりで意見交換した際にも、「1日に何回すみませんって言っているんだろう」などと発言すると「それ、わかる~!」と大変盛り上がるテーマです。笑

これはダウン症児特有かもしれませんが、幼少期に入院が多かったり、急に病院に行かなくてはいけなくなったりなどが理由で、仕事から少し距離を置いて育児に専念されている方が多く存在します。

つまり、ママ達もこれまでは社会と関わり毎日を過ごしていた日々から、社会との関わりが減り、一方で「すみません」という言葉が圧倒的に増える。

先天的な障がい児を持った親としては、子供が赤ちゃんの時には毎日繰り返し「きちんと産んであげられなくてごめんね」と自責をしている中で、さらに世の中に対しても「すみません」の連呼。これではタフな方でもさすがに精神的に参ります。

よって、私は本人達が社会と関わり必要とされ活躍できる環境づくりも大切ですが、同時に「ママ達も社会と関わり感謝される事」が何より大切であると考えます。

ですので、我々のWell-Beingプロジェクトでは幼少期から「本人&親が力を合わせて、企業や社会と共に、社会から必要とされる新たな仕事づくりに挑戦する!」事が大切であると考えて取り組んでいます。

本人と親が力を合わせて自立する事が大切です。

Well-Beingプロジェクトの「ダウン症の本人・親の不安を次世代には引き継がないための挑戦」

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「1,000個の仕事創りを目指すから新しい仕事の発想が出てくる」

上記の理由から我々がまず目指しているところは、「本人&親&企業&社会が力を合わせて、従来の働き方や価値観に捉われない新しい1,000の仕事を創る」事です。

大切な事は、10個や100個の仕事ではなく、1,000個を目指す!というところです。

数が少ないと従来の仕事発想の延長線で達成できますが、1,000となると自然と発想が豊かになり新しい働き方が出てくると考えます。

当プロジェクトの現状は、この1,000の仕事を本人&親&企業でアイデアを出し合っている段階です。
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「うちの子でもこれなら挑戦できるかも?」と思ってもらいたい

それぞれの立場や視点からもう少しご説明をします。

本人や親からすると1,000の実例があれば、「うちの子供でもこれなら挑戦できるかも?」という事が見つかります。

現状でもダウン症の方の中には、書道家の金澤翔子さんをはじめとして芸術やダンスなど多岐の部門で活躍されている方が多くいらっしゃり、希望の星になっています。

一方で、親の本音としては心のどこかで「うちの子供は金澤翔子さんのようにはなれない…」という想いも出てきて、必ずしも、自分達親子の人生の目標とはなりにくいのも事実です。
※本来は親として可能性を信じてあげるべきなのでしょうが、日ごろのゆったりとした成長を目の当たりにすると、頭では理解できても心が動かないという状況になります。

そのような中だからこそ、1,000の仕事を創れば、「私達もこれならできるかもしれない!それで良いなら挑戦しよう」という気持ちになってもらえるのではないか?と考えています。

「仕事を依頼したいけど、何ができるかわからない」を解決!

次に企業視点でこのプロジェクトの意義をご説明します。

ここ直近はSDGsの浸透やコロナによる価値観の変化の影響もあり、多くの企業が障がい者雇用や仕事を発注する事には前向きであり、当プロジェクトにも大変協力いただいています。

一方で、企業担当者や経営者の方からすると「どのような仕事をお願いして良いかわからない」というのが本音であると痛感します。生活する中で関わる事が少ないのでどうしてもこのような状況になります。
※私も次女の誕生までの34年間はまったく知らない人生でした。

そこで「1,000の仕事の実例」があれば、「この仕事ならお願いする事ができる」と企業側もイメージしてもらいやすく、彼らの社会進出の後押しになると思います。また、社会の方々もこの1,000の仕事があれば、彼らのできる事に目がいくのではと考えています。

「授かった親の皆様に一人で抱えず、社会で育てる流れができています!」と伝えたい

そして最後にこの活動を通じて伝えたいのが「出生前検診を受診された方やいわゆる障がいがある子を授かった方」です。

私自身は出生後に子供がダウン症である事がわかりました。NICUの先生から伝えられて、すぐにインターネットで「ダウン症」を検索しました。
検索で「ダウン症」と入力すると、「寿命・大変・辛い」などの候補が出てくるので、「これは今後の人生が真っ暗だ。なんで…。」と酷く落ち込み、涙がこぼれました。

そこで、落ち込む前に、当プロジェクトを知ってもらい、「一人で抱えるのではなく、今は社会みんなで力を合わせて育てる時代になり、将来の選択肢も多い。逆に関わったみんなが幸福になっている」事を知ってもらい、少しでも前を向いてもらうお手伝いができたらと考えています。
※行政や医療系の皆様と連携を模索している目的の1つはこの辺りにあります。

「親や本人が抱える不安を次の世代に引き継がない!我々で断ち切る!」

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あるママさんとの意見交換で印象的な言葉があります。
大変積極的に活動されていて、お子様も20代中盤になり、子育てもひと段落されている方でした。
「親が抱えている悩みや不安が私が子育てしていた時と変わっていない」という言葉です。
福祉制度は充実して、SDGsやCSRが叫ばれ企業の雇用率は増えてきていますが、本質的な課題はこの20年間でも全く解決されていないというのが現状です。

親や本人が抱えている不安を「次世代には引き継がない!」事が当プロジェクト最大のゴールであり、子供達からもらった私自身の人生の使命であります。残りの人生をこの使命を果たす為に使って挑戦します!

もちろん実現には、私一人では何もできませんので、本人&親&企業&地域の方々&全国の応援団など多くの方々の後押しがあって初めて実現できます。
共感いただける仲間の皆様と共に挑戦し続けていきます。
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グーテンブック編集部 グーテンブック編集部