読み手のニーズは何か?その本を読むことの読者メリットを明確に伝える【出版社をやってみて分かった「本と企画のつくり方」】

【第3回】この連載では、本Webサイト「biblion」も運営している出版社(株式会社masterpeaceと申します)でこれまで100冊ほどの書籍企画・編集・発行をお手伝いさせていただいた筆者(代表兼編集者をやっております)が、自社でお手伝いさせていただいた企画やプロジェクトの経験からお伝えできる範囲で「シンプルな本づくりのポイント」をお話させていただきます。

これは、本だけではなく、プレゼンテーションでも広告施策でもセミナー企画でも学校の授業でも同様かと思います。役に立たないと思って学校に通う人はいなくて、役に立つとしても、「10年修行してください」よりは、「週末だけ」「半年で卒業できますよ」に惹かれる人が大半です。

この考え方は読者さんを軽んじているわけではなく、いかに「わかりやすく伝えるか」をしっかり考えて、できる限り努力することが、情報を発信する側の義務なのではないかと私は考えています。
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Photo credit: Sonia Belviso on Visualhunt.com / CC BY

いかに、わかりやすくてお得なものかを打ち出す

もちろん、ひとつの本の中に、①ファン ②レファレンス ③レクチャー の3つの要素が混ざっていることも多いかと思います。

例えば、「聞くだけで英単語を覚えられる本」が、求めるレベルで必要な単語は網羅されていて(②レファレンス)、楽ちん(③レクチャー)、しかも聞いていて楽しい(①ファン)だと最高ですよね。

ただ、やはり読者は、その本を読むことで得られる投資対効果を見て、お得だと感じられることにこそがお金を出すのだと思いますので、特に「③レクチャー」の要素が重要となります。

最後にまとめましょう。

これまでの3回の連載でお話してきた順番と同様に、私が出版企画を考えるときは、
①「だれに何のために伝えたいのかを考える」(https://biblion.jp/articles/1TJ21
②「それはユニークなものか?を考える」(https://biblion.jp/articles/bvki2
で企画テーマを絞り込んだうえで、
③「いかに、わかりやすくてお得なものであることを読者に伝えるかを考える」
という順番とすることがよくあります。

最後の「わかりやすく」が抜けていると、驚くほど、せっかくのユニークな企画が読まれない(そもそも開いてもらえない)というケースが多く、もったいない結果となってしまいます。

以上、ここまで3つのポイントで出版企画のつくり方を追いかけてきました。

次回からは本づくりに必要な「作業」や「お金」について、ご紹介します。
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グーテンブック編集部 グーテンブック編集部