【知られざる太陽光発電業界の“光と闇”・第2回】トラブルを引き起こす3大要因。その裏に潜む根本原因を探る!

近年、再生可能エネルギーの雄として脚光を浴びる「太陽光発電」。「屋根にパネルを付けるだけで手軽に稼げる」「余っている土地を利用した太陽光発電を投資対象に」と、気軽に始められるビジネスとしても注目を集めている。しかしここに来て、太陽光発電関連企業の倒産が急増しているとも言われる。太陽光発電業界はこれからどうなっていくのだろうか?

本連載では、太陽光発電業界が抱える諸問題に警鐘を鳴らしつつも、健全な業界発展のために独自の啓蒙活動を続ける、太陽光発電検査協会理事・技術顧問の清水拓也氏にお話をうかがう。清水氏は啓蒙活動のかたわら、自身もO&M会社(りょうしんメンテナンスサービス)を運営するまさに業界のプロフェッショナル。第2回の今回は、近年急増している「太陽光発電用の機器に関するトラブル」と、その背景に潜む根本的な問題について語っていただいた。(取材:biblion編集部)
太陽光発電検査協会理事・技術顧問 清水拓也氏

太陽光発電検査協会理事・技術顧問 清水拓也氏

太陽光モジュールのトラブル「3大要因」とは?

――近年、太陽光パネル(太陽光モジュール)を取り付けた後に、様々なトラブルが発生する、という事例が増えているようですが、具体的にどんなトラブルが発生しているんですか?

「一度取り付けてしまえばあとはメンテナンスの必要はありません」とメーカーや販売・施工会社から言われて太陽光モジュールを取り付けたものの、その後様々な不具合が発生する、という例は確かに増えています。「これじゃ話が違うじゃないか」ということになり、なかには裁判沙汰にまでなってしまうケースもありますね。

過去に裁判になったケースのひとつでは「光害」によるトラブルがあります。つまり、太陽光パネルに当たった光が乱反射を起こして、その光が近隣に被害を及ぼすというものです。
他にも製品不良・施工不備による焼損事故や、施工不備・設計不備からなるパネルの飛散事故などがあります。
落雷によりパネルの焼損事故も起こる

落雷によりパネルの焼損事故も起こる

――そうした太陽光モジュールにかかわるトラブルが発生する根本原因はどのあたりにあるのでしょうか?

太陽光モジュールに不具合が発生する原因は主に3つあります。1つは製品自体の不備や欠陥。モジュール自体の製品クオリティの問題です。2つ目は天災など外的要因。台風や雪害、風害、水害などの自然災害ですね。3つ目は人的問題。つまり、太陽光発電システムの施工に問題がある場合です。

私は、まずは3つ目の「施工」に関する問題について根本的な対応策を打ち出して早急に解決すべきだと考えています。
太陽光発電はある種ブームのように短期間で急速に広がったので、設置に関する適正な基準やルールの整備はもとより、実際に設置する作業員の技術的スキルアップなどが、かなりおろそかなんです。

甘い、施工技術者向け研修の実態

ここで、実際に太陽光モジュールの取り付け工事がどのように行われているかを簡単にお話しておきましょう。
太陽光モジュールは国内メーカー・国外メーカーのどちらでもそうなんですが、全国各地で施工業者さんを対象に、施工方法を指導する研修を行っています。その研修が、だいたいどこのメーカーも平均2日間くらいしかありません。そしてその研修を受けたら「はい、あなた合格です」ということになって、正式な施工業者としての認定書(施工ID)を渡されるんです。

正直に言うとその2日間の講習ってすごく内容が非常に薄いんですよ。単に各種機器を屋根に取り付ける作業方法を教えるだけで、太陽光モジュールの根本的な仕組みや技術的知識など、本来施工業者に最低限必要な電気的知識または構造的知識などの基本が身につかないまま世に送り出されているんです。
そんなことをしていたら、当然いくらでも事故やトラブルは起きますよ。充分なトレーニングを受けず、本当に必要な知識やスキルをもっていない人たちが施工しているんですから。

――知りませんでした。それは大きな問題ですね。

想像してみてください。普段皆さんが乗っている車は、長年にわたる厳しいトレーニングや専門的な学術を経て資格を取得、高度なスキルを有した技術者たちが組み立て、何かトラブルがあれば、やはりきちんとした資格を持った整備士が対応してくれる。
住宅にしても、それなりの狭き門をくぐりぬけて、明確な基準のもとに資格を取った設計士さんや建築士さん、施工業者さんたちが建てているわけです。

それに比べて、われわれ太陽光発電の業界は、とても緩い資格制度の中で管理されている。しかも、いざトラブルが起きたとき、じゃあ修理・メンテナンスしましょうと言っても、メンテナンス自体に明確なくくりやマニュアルや基準もなく、皆がみんな好き勝手やっているような状態です。
結局、この業界はトラブルに対して適切に対処もできず、トラブルを未然に防げる状態もないんです。
設置時の技術スキルが課題になっている

設置時の技術スキルが課題になっている

太陽光発電業界の不可思議な縮図

――じゃあ今、そのあたりのマニュアルや基準、法律の整備は進んでいるんですか?

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グーテンブック編集部 グーテンブック編集部