原稿の精度をあげるために必要な3つの確認ポイント【出版社をやってみて分かった「本と企画のつくり方」】

【第10回】この連載では、本Webサイト「biblion」も運営している出版社(株式会社masterpeaceと申します)でこれまで100冊ほどの書籍企画・編集・発行をお手伝いさせていただいた筆者(代表兼編集者をやっております)が、自社でお手伝いさせていただいた企画やプロジェクトの経験からお伝えできる範囲で「シンプルな本づくりのポイント」をお話させていただきます。

「誤まり」「謝り」といった誤字脱字の指摘だけではなく、「いちばん」「さまざまな」といった平仮名表記を漢字表記にしませんかと提案しています。「文賢」は辞書にはない言葉であることや、「俯瞰」は常用漢字ではないという指摘もあります。

1回の確認で欲張らない

3つの視点についてご紹介しましたが、異なる視点を同時に確認しようとしないことが大切です。同時に確認しようとすると、どうしても意識が散漫になり、それぞれの視点がぶれてしまう可能性があるからです。
時間はかかりますが、3つの視点で3回確認するということが、漏れのない確認作業につながります。

セルフチェックも必須

プロの編集者による確認の前に、もちろん、著者さんによるセルフチェックも必要です。
誤字脱字がないか、表現・言い回しが適切か、欠けている・または重複している内容がないか、原稿全体のロジックがおかしくないか、などの観点で、原稿を何度か読み返します。

特に、「欠けている内容がないか」の観点は、プロの編集者のチェックがどうしても弱くなってしまうため、著者さん自身でしっかり確認しておく必要があります。
編集者は書かれた原稿をよりよくブラッシュアップする技術には割と長けていますが、そこに書かれていない内容を「足りない」と指摘するのは難しい場合があります。

必ず誤りがある前提でセルフチェックする

自分で書いた原稿の誤りを見つけることは、他人が書いた原稿の誤りを見つけることより難易度があがります。
書くときに気づけなかった誤りは、確認するときも見過ごしやすくなりますし、間違っていると思いながら書く著者さんはいないので、自分が書いた原稿は心のどこかで正しいと思い込んでしまいます。
漠然とセルフチェックしてしまうと、どうしても確認が甘くなってしまうため、「必ず間違いがある」という意識を持ちながら確認するとよいでしょう。

一般の人にも理解できる内容か

初めてその本を読む人が内容を理解できるのか、という観点も、知識がありすぎる著者さんにとっては確認しづらい観点です。
10を知る人と、1しか知らない人が同じ本を読んでも、理解度は変わってしまうからです。著者さんが一般常識と思って使っている言葉も、実は専門用語で一般の人には伝わらない言葉だった、ということはよくあります。

自分で書いた原稿をセルフチェックするということには限界がありますが、これらの観点を頭の隅に入れながら確認することで、原稿の精度を上げることができます。
今回は、原稿の確認方法についてお伝えしました。

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著者:窪田篤

株式会社masterpeace代表取締役社長。アクセンチュア株式会社で大規模システム設計/運用プロジェクトに参画。2013年、good.book(グーテンブック)立ち上げのため、masterpeaceに参画。新規事業企画・コンテンツ編集責任者を兼任。2018年5月より現職。
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グーテンブック編集部 グーテンブック編集部