どちらの経営がより安定? 貸借対照表(BS)で知る会社の経営状況【財務はおもしろい】

【第3回】多くの企業・経営者の経営コンサルティングから生み出された「数字を使わず経営を理解するカベヤ式財務のノウハウ」。数字を極力使わずに、さっと短時間で財務の全体像と重要ポイントを紹介します。数字が苦手な人にこそ知ってもらいたい、決算書の数字が読めなくても企業の置かれた状態が簡単に理解できる考え方をお伝えします。

一方、いわゆる士業やコンサル業など基本的に設備が要らない会社の場合、長期運用が多くなっている形だと非常にリスクがあります。そのような業種の場合はB社のように固定資産(長期運用)が少ないほうが良いのです。

このように、運用に関してはどのような形が良いのかはケースバイケースであり、どのような形が理想であるか、という正解はないのです。

どちらの会社が安定経営か分かりますか?

さらに皆さんに問題です。長期で運用しているものを「返すお金」(負債)で賄うか、「返さないお金」(純資産)で賄うか、どちらが経営的に安定していると思いますか?
それは当然返さないお金で賄ったほうが良いわけです。
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そのように考えると、皆さんは感覚的にこれが分かるはずです。【図・貸借対照表(BS)の比較】を見てください。A社とB社、2つの会社のBSが書いてあります。さて、どちらが良い会社でしょうか?

右下の純資産と左下の固定資産(長期運用)の関係を見比べた時に、B社は長期で運用するものを自分たちのお金(純資産)で賄えていることが分かります。つまり、この会社は経営が安定していると言えるわけです。

一方A社の場合は、長期で運用しているものの一部を、返済しないといけないお金(負債)で賄っています。この会社は経営的に辛いはずです。したがって当然、調達と運用のバランスはB社のほうが良いということになります。

図に描けば簡単に分かる「会計上のゴール」

こうした固定資産と純資産の比率(固定資産÷純資産)を、会計上は「固定比率」と言い、この固定比率が低ければ低いほど良い会社だと言われています。皆さんの会社もB社のような形(バランス)に持っていきましょう。それが会計上のゴール(目標)です。

こうした比率や指標などの数字は会計士の先生しか分からないと思っているかもしれませんが、こうして図を描けば簡単に理解できるものなのです。
会計においては様々な指標がありますが、それらを全て図に落として一つひとつの指標を理解していくと、「この指標はどういうことを意味しているのか」ということが分かるようになります。そうした指標を理解し勉強する際には、ぜひ図で描くことを意識してください。

このように貸借対照表(BS)が読めるようになってくると、調達と運用があって、その結果、損益計算書(PL)で利益というものが出る、ということが分かってくるはずです。
ちなみに利益を上げると、その利益は調達の源泉、つまり「純資産」の部分に戻ってきます。これが会計上「利益剰余金」と呼ばれるものです。つまり、調達→運用→利益という流れの後に、再び「手許」として調達の部分にお金が戻ってくる、というイメージです。そうした流れがあるということも覚えておいてください。
(次回に続く)
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グーテンブック編集部 グーテンブック編集部