仕事を人に依頼できないあなたに必要な「大変さの見積もり」と「コミュニケーションプラン」【コンサルタントの技・プロアクティブ仕事術】

【連載第4回】「毎年同じことを繰り返せばいい」時代は終わり、能動的に先読みした仕事が求められるようになりました。世の中の変化が激しくなり、昔の通りに仕事をしていてはダメだと多くの人が気付いています。本連載では、仕事をデザインし、思い通りにプロジェクトを遂行していくための仕事のスキル「プロアクティブ仕事術」をご紹介します。

本連載は、書籍『プロアクティブ仕事術 コンサルタントが3年目までに身につける仕事をデザインする方法』(2017年7月発行)を、許可を得て編集部にて再編集し掲載しています。

あなたに欠けているのは、「人に仕事を依頼すること:割り付け」

「やるべきことの明確化:手順展開」と同時に必要なことが、一人で仕事を抱え込まないということです。自分が使える時間には限りがあり、能力にも限りがあります。

会社に勤めているのならば、仕事は一人でするわけではありません。チーム、仲間がいるはずです。無理に抱えこまず、人に依頼するのです。一人ではできないことも、二人、三人で分担すればできるようになります。

たとえばセミナーで配布資料の準備をするとしましょう。あなた一人では、資料を作るだけで時間オーバーです。そこで、資料を分類し、人にお願いします。プレゼン資料は自分で準備し、詳細のデータ編は後輩に任せ、会社案内などの既存資料の収集はアルバイトさんに頼むといったように。
人に仕事を依頼することは仕事を割り付けることです。その前提は、そもそも仕事が分解(展開)され依頼可能な単位になっていること(つまり「やるべきことの明確化:手順展開」が済んでいること)です。

さらに欠けているのは、「仕事の大変さの見積もり:これもまた、割り付け」

さらに必要なことは、仕事量と難しさが見積もられ、適切な人に割り付けられていることです。「人に仕事を依頼すること:割り付け」とは、単に仕事を投げっぱなしにするのではなく、きちんと、期限通りに、狙った品質どおりに成し遂げられることを目指して行われなければなりません。

人に仕事を依頼するということは、仕事の大変さの見積もり、だれが今、時間に余裕が合って、その人が、能力的に対応できる仕事かどうかの判断を必要とします。これも一つの技術なのです。

「上司と周りの協力を得る:コミュニケーションプラン」は欠かせない

あなたが、上司を持つ身だとします。あなたはたくさんの仕事を抱え、にっちもさっちもいかない状態です。それでも、次から次へと仕事が振られてくるとしたら、それはあなたに問題があります。上司がどんどん仕事を振ってくるのは、あなたが、あなたの仕事の状況を伝えないからです。

とはいえ、あなたの仕事の状況を伝えただけで、上司はあなたに配慮をするでしょうか。残念ながら、そうではありません。あなたの仕事の状況を伝えるのは、必要なことですが、それで十分ではありません。

要は、上司をコントロールするような情報の提供の仕方をしなければならないのです。そのためには、上司をコントロールすることを念頭においたプランが必要です。それが「コミュニケーションプラン」です。

「コミュニケーションプラン」とは、目的に向かって、コミュニケーションを組み立てることです。たとえば、ホウ・レン・ソウ(報告、連絡、相談)や情報提供もその一つ。ミーティングもそうです。上司決裁が必要な時の段取りを計画するのも「コミュニケーションプラン」です。

コミュニケーションが行き当たりばったりでは、うまくいくこともうまくいかなくなります。「コミュニケーションプラン」はとても重要なのです。「コミュニケーションプラン」は上司に限らず、同僚や周りの仕事仲間にも有効です。

周りをどう巻き込んでいくのか、コミュニケーションすべき内容は事前に検討しておきます。仕事を「見える化」しておき、周りとコミュニケーションするのです。

プロアクティブ仕事術 コンサルタントが3年目までに身につける仕事をデザインする方法

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あなたの仕事は、行き当たりばったり、結果は運任せになっていませんか?
本書は、アクセンチュアなどでコンサルタントを務めた後、独立コンサルタントとして多くのプロジェクトに参画してきた著者が、コンサルティングの現場から学んだ仕事の「基本」を整理したものです。
「あなたが主体となってプロアクティブに仕事をまわしていく」ための方法をお伝えします。

「想定外を潰しておくこと:リスク対応」も必要

仕事が終わらなくなる原因は、想定外の突発事項です。「想定外のことがおきまして・・・」といった言い訳は、いろいろ場面で言われます。しかし、果たして本当に想定外だったのでしょうか。

想定外のことの多くは、実際には「想定をすることを怠った」ということです。想定していないから、対策ができないのは当然です。そこで、言い訳として、「想定外」が使われるわけです。

言い訳など、いくらしても誰も考慮してくれません。みんな、あなたを「ばかだなあ」と思うだけですし、仕事が遅くなることで周りにたくさんの迷惑をかけます。言い訳しても、だれもあなたに同情などしません。見放されていくだけです。

きちんと仕事を納期どおりに終わらせるためには、たくさんの想定をしておくことが必要です。そして、事前に可能な限り対処法を考えておくのです。

この「想定外」を「想定」しておくことが、リスク項目の事前検討です。そして、リスクへの対処方法を考えておきます。「リスク対応」です。

誤解があるかもしれませんが、「リスク対応」は単なる備えではありません。実際にリスクが最小限になるように、アクションしておくことが重要です。
たとえば、ある予算申請事項で、上司の反対がリスクとして懸念される場合、その対処方法を事前に考え、上司に却下されないように、手を打っておきます。
たとえば、部門の予算超過が気になるのであれば、他の案件を取り下げる用意があることを伝える、あるいは、他部門と折半する話を付けておく、上司の訪問で業者とネゴできる環境を準備しておくことで上司を仲間に引き入れる、などいくつもの手が考えられます。
実際に考えた手をどんどん打っておいて、決裁がスムーズにいくようにしてしまうのです。

孫子曰く、「算多き者は勝つ」です。「リスク対応」があれば安心しておくことができます。
(次回に続く)
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グーテンブック編集部 グーテンブック編集部