損益計算書(PL)を感覚的に理解する方法・BS/PLから知る運用効率【財務はおもしろい】

【第4回】多くの企業・経営者の経営コンサルティングから生み出された「数字を使わず経営を理解するカベヤ式財務のノウハウ」。数字を極力使わずに、さっと短時間で財務の全体像と重要ポイントを紹介します。数字が苦手な人にこそ知ってもらいたい、決算書の数字が読めなくても企業の置かれた状態が簡単に理解できる考え方をお伝えします。

BSとPLの間に隠れている「運用効率」という概念

運用した結果、利益を上げるという部分がPLに書いてある流れだということを話しました。運用した結果として利益を上げるということは、そこに「運用効率」という概念が出てきます。運用からどれだけ効率よく利益が生み出されたのか、つまり利回りはいくらかという考え方です。
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では、ここで【図・運用効率】を見てください。
これは、A社とB社の貸借対照表(BS)と損益計算書(PL)を描いたものです。それぞれ右側がBS、左側がPLです。

まずA社を見てください。A社はBSの総調達が200、負債が100で純資産が100の運用をしています。その結果PLのほうでは、100の収益から50の費用を引いた「50の利益」を出しています。

一方のB社はBSの総調達が300、負債が150で純資産が150の運用をしています。その結果PLのほうでは、150の収益から90の費用を引いた「60の利益」を出しています。

このA社とB社を比べて、先ほどの〝運用効率という観点〟で見た時にどちらが良い会社でしょうか? そこをぜひ考えてみてください。
A社の方は、BSの左側(運用)は200です。その結果、利益が50出ています。ということは200の元手に対して50の利益を上げた会社、つまり50/200で25%の運用効率(利回り)の会社ということです。
一方でB社の方は300の元手に対して60の利益を上げている。つまり、60/300で20%の運用効率(利回り)の会社、ということになります。

もし皆さんが同じリスクで25%と20%の利回りの商品がある、といった時にどちらを選びますか?
当然25%の運用商品を選ぶはずです。これが運用効率というBSとPLの間に隠れている概念です。

それを具体的な数字として表したのが「ROA」(リターンオンアセット/投資収益率)という指標です(【図・ROA(投資収益率)】)。
全ての運用からどれだけの利益を出したのか、それを表すのがこの「ROA」なのです。この指標もきちんと見た上で、BSとPLの関係をしっかりとらえるようにしてください。
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BSとPL、2つの書類の関係性

「BSからPL、再びBSへ」という流れを理解しよう

貸借対照表(BS)と損益計算書(PL)、この2つの書類の関係性について見ておきたいと思います。【図・2つの書類の関係性】の上段にBSとPLの関係を整理してみました。

つまり、BSの右側が調達を表し左側が運用を表す。運用の結果PLで利益が出る。利益が出た結果、その利益がまた調達の元手としてBSの右下の純資産の中に戻ってきますよ、という流れ。
この調達→運用→利益というストーリーが一通りぐるっと回るというイメージをしっかりと理解しておいてください。

ストーリーを感じよう!

その下に「ストーリーを感じよう!」という例題がありますが、これも既に皆さんがやってきたように「この会社はどんな会社でしょう?」という問題です。この会社はどんな会社なのか、考えてみてください。
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簡単に説明すると、この会社は総調達が100の会社です。30を他人から、70を自分で調達した会社です。その100の調達をもって100の運用をしています。BS(バランスシート)ですから、当然100と100でバランスが取れています。

BSの運用部分を見ると、長期で50、短期で50の運用をしていることが分かります。その50+50合わせて100の運用をした結果、損益計算書(PL)において、収益60‐費用40=20、つまり20の利益を出した会社だ、ということ(ストーリー)が読み取れると思います。

つまりこの会社は、ROA指標で見てみると、20/100で20%の利回りが出ている会社なんだな、ということが分かるはずです。
BSとPL、2つの書類の間にはこんな流れと関係性があるのだ、ということを感覚でつかんでおくことが重要です。
次回に続く
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グーテンブック編集部 グーテンブック編集部