大前研一「教育を変えると、世の中が5年で変わる。21世紀の義務教育と大学の役割」

【第11回(最終回)】日本の高度成長を支えた、「正解」をいかに早く覚え、再現するかという従来の教育は、「答えのない時代」を迎えた今、うまくいかなくなった。日本の国際競争力を高める人材を育成する上で、障害となっているものは何か。21世紀の教育が目指すべき方向は何か。本連載では、特色ある教育制度を取り入れている先進国の動向から、日本の教育改革の方向性を導き出す。

採用するなら30±2歳まで

企業も新卒一括採用をやめる。1人ずつ個別採用で、30±2歳くらい、28~32歳の人を採るのです。給料も個別に決めます。大学を出たばかりで実務遂行能力のない新卒を採ると、社会に順化させるために6年間は投資が必要になります。私の経験則から言って、だいたい28歳以上で、社会人としての基本が身についた人材を採用するのがいいでしょう。逆に、32歳を過ぎた人材は前の会社で10年働いているので、良くも悪くも前の会社の色に染まってしまっている。ということで、30±2歳というのが、私の見つけ出したゴールデンルールです。

文科省は変わりませんから、まずは皆さんの会社で危機感を持って採用方式を変える、家庭で子供の教育を変える。ここから始めるしかないだろうというのが私の結論です。
(大前研一向研会定例勉強会『世界の教育トレンド(2013.6)』より編集・収録)

(本連載は今回で終了です)

大前研一 日本の未来を考える6つの特別講義

2,200
この「教育問題」講義ももちろん収録。「人口減少」「地方消滅」「エネルギー戦略」…避けて通れない日本の問題を大前研一さんが約400ページのボリュームで解説する特別講義集。

大前研一

大前研一
株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長/ビジネス・ブレークスルー大学学長1943年福岡県生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、東京工業大学大学院原子核工学科で修士号、マサチューセツ工科大学(MIT)大学院原子力工学科で博士号を取得。日立製作所原子力開発部技師を経て、1972年に経営コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク入社後、本社ディレクター、日本支社長、常務会メンバー、アジア太平洋地区会長を歴任し、1994年に退社。以後も世界の大企業、国家レベルのアドバイザーとして活躍するかたわら、グローバルな視点と大胆な発想による活発な提言を続けている。現在、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長及びビジネス・ブレークスルー大学大学院学長(2005年4月に本邦初の遠隔教育法によるMBAプログラムとして開講)。2010年4月にはビジネス・ブレークスルー大学が開校、学長に就任。日本の将来を担う人材の育成に力を注いでいる。
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