“子供より先に死ねない親たち”の思い

【連載第4回】IoT/AIによる「障害者のソーシャル・インクルージョンの実現」を目的に設立された「スマート・インクルージョン研究会」代表の竹村和浩氏による連載第4回。今回は、知的障害者を取り囲む様々な問題について語っていただきました。

“表面的に分かりづらい”知的障害

今回の娘の長距離通学では、人と人とのつながり、コミュニケ―ションの大切さを痛感することができましたが、こういった不安は、生活の様々な場面で直面する問題です。
これはおそらく、それぞれの障害によって、それぞれの難しさ、不便さ、社会の壁があるのだと思います。ダウン症などの知的障害、身体障害、精神障害、視覚障害、聴覚障害、識字障害、発達障害など、様々な障害による、様々な不便さ、生活するうえでの不安が。

この中でも、知的障害を持つ人たちには、発達障害などと同様に、他の障害にはない難しさがあると感じています。それは、“表面的には障害が分かりづらい”という問題です。
無論ダウン症などの場合には、見た目でも分かる部分がありますが、一般的に、車いすの方のように一目見てその障害の程度が分かるというものではありません。また、判断力が欠けている、あるいは、判断がどのようにされるかが人によってまったく異なるという点も、知的障害者の難しさです。
このように、知的障害者は障害者の中でも、社会で生きる上でより大きな困難を抱えており、誤解を恐れずに言えば“社会における最弱者”であると思うのです。

こうした知的障害者がもっと暮らしやすい社会にするにはどうしたらいいのか? どうすれば、私も含め、彼らの親たちが安心して子供より先に旅立つことができるのか? そうした課題に全身全霊を持って取り組み解決すること。それが今の私たちに託された重大な責務であると考えています。

(次回へ続く)

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グーテンブック編集部 グーテンブック編集部