【知られざる太陽光発電業界の“光と闇”・第1回】トラブル続出?「太陽光パネル保守問題」の真相に迫る!

近年、再生可能エネルギーの雄として脚光を浴びる「太陽光発電」。「屋根にパネルを付けるだけで手軽に稼げる」「余っている土地を利用した太陽光発電を投資対象に」と、気軽に始められるビジネスとしても注目を集めている。しかしここに来て、太陽光発電関連企業の倒産が急増しているとも言われる。太陽光発電業界はこれからどうなっていくのだろうか?

建築物? 電気工作物? あやふやな立ち位置の太陽光モジュール

―O&Mにおいて難しい点、今後の課題はどんなことですか?

太陽光モジュールと言っても、家の屋根などに取り付けるものから、“野立て”と言って地面に設置するものなど、取り付ける場所によって様々なタイプがあります。工場やビルの屋上などに付けたりもしますし、水の上に設置したり、いろいろなパターンがあります。

ここで太陽光モジュールの設置における難しい問題が発生してきます。それは「この設備が建築物なのか、または電気工作物なのか?」ということです。現行の法律ではそのあたりが明確に定義されておらず、どっちつかずの微妙な立ち位置の商品になってしまっている。様々なルールは日本電機工業会のガイドラインで縛るのか、JIS(日本工業規格)の規格で縛るのか、建築基準法で縛るのか、ということも含めて若干あいまいな状態です。

結局どの団体もこの件に関して問題視はしているのですが、決め手に欠けている。これはさすがにこのまま放置おいてはダメだと認識し、最近になってようやく行政やいろんな団体が本格的に動き始めた、といった状況です。

業界基準を一つに!これからの課題と目標

―今後、そうした問題に対して業界としてどのような取り組みをされていくのでしょうか?

太陽光発電装置を取り付けたい、と思っている企業や個人としては、やはり収益目的、投資対象としてこれをやろうとしているわけです。われわれの団体のように安全対策に重きを置いているものと、収益性を重視するものとでは微妙に異なるというか、そこにはある種のズレが生じます。そのズレをどう補正していくかが今後の課題であり、難しいところですね。
今、業界全体がそこのズレのすり合わせに取りかかり始めたところで、行政、研究者、機器メーカー、我々のような太陽光発電事業会社、その他さまざまな協会団体、それぞれが知恵を絞って解決策を考えているところです。

当然、いろんな人たちがそれぞれの立ち位置でものを言うので、温度差が生じて話がかみ合わなくなってきていていることも事実です。これをどこかで一つにして、きちんとした業界ルール、設備基準を作らないといけないのでしょうが、これがなかなか難しい。訪問販売でバリバリ太陽光発電システムを売られている営業マンの方が、研究所に足を運ぶかというと運ばないですよね。また研究施設やメーカーの開発部門の人が、町の販売店に顔を出して収益の話をするかというと、それも考えにくいかと思います。
そういう意味で、民間企業、協会団体など様々な立ち位置にいながら情報共有のできる私のような存在が、今必要とされているのかもしれません。
立場を超えた協調が求められている

立場を超えた協調が求められている

当初は私も、いろんな立場の人たちと係わっていればビジネス上有益な情報を得るのにはいいな、という程度の認識だったのですが、だんだんとこの業界に潜む問題を深刻に受け止めるようになりました。そして「このままいつまで待っていても何も変わらない」と気づいたとき、これまで自分が培ってきた知識やネットワークを使って何かこの業界に貢献できるのではないか? こうしたさまざまな問題を解決する助けになる活動ができないか? と考えはじめました。
こうして私は今、メーカーをはじめとする様々な業界関連の方々とともに、太陽光発電業界全体の意思統一を図り、健全な発展のベースとなるべき統一ルール・基準づくりを行うべく活動を行っています。

参考書籍

次回へ続く。次回の更新は9/9を予定しています。
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グーテンブック編集部 グーテンブック編集部