「見えないものの見える化」や「学び直し」の工夫。学びの楽しさを伝える様々な仕掛け(連載第4回)

2020年3月、突然の休校により一変した教育現場。子ども達が奪われた「学びの場」を取り戻すため「オンライン学校」という新しい教育プロジェクトが立ち上がりました。既存のe-learnigとは異なり、リアルタイム配信、学びの本質の追求、双方向のコミュニケーションにこだわった画期的な取り組み。Withコロナの時代、これまでの学校と家庭の役割を見つめ直し、新しい教育の在り方を考えるきっかけとして、この記事を広く活用していただけることを願っています。

わかる楽しさを取り戻す「学び直し」

筆者は公立中学校指導、塾経営を通じて、多くの子どもが実際の学年よりも低い学年の理解でつまずいているということを体感してきました。実際の学年は中学2年でも、小学3年の割り算でつまずいているというようなパターンです。

この経験から、「オンライン学校」ではスタート当初、あえて具体的な学年設定はせず、「かけ算」「方程式」などのテーマのみ提示することにしました。学年設定をしないことで、学び直しをする手助けができればと考えました。
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また、授業の途中でも、わからないことがあれば「わからない!」というコメントを気兼ねなく記載できるような空気作りを心がけました。五分に一度は参加者に問いを投げかけ、とにかく一方通行型の授業にならないように徹底したのです。

ただし課題もありました。多くの親御さんから「対象は何年生ですか?」というお問合せをたくさんいただいたのです。そのようなご意見をふまえ、途中からは対象学年を提示することにしました。ただし、少し広めに「小学4年生~6年生」などとして、目安としての提示としました。
 
これには先述のように「学び直し」を意識している背景があります。「オンライン学校」は学校教育ではありませんが、その分授業の内容に自由度を持たせられることがメリットの一つです。

学習指導要領では、かけ算は小学2年で学習すると決められていますが、小学5、6年になっても、かけ算につまずいている子どもがたくさんいるのは事実です。対象学年の幅を持たせることで、学び直しをする子ども達が「実際より低い学年の勉強をするなんて、頭が悪いのかな」などと悩むことなく、フラットな気持ちで学んでもらいたいと考えています。

(次回へ続く)

この記事の著者

■香坂 公嗣(こうさか まさし)さん
株式会社グローレン 代表取締役
18歳で実家を飛び出し、やりたい事が見つからずに1年近く放浪する。
20歳で大学に入学し、生物化学を専攻、25歳で大学院(修士課程)を修了。35歳で起業することだけを決めて、就職活動へ。自分の生い立ちを振り返った時に、恩師と思える人との出会いが転機になっている事に気づき、「教育」分野に興味を持ち、企業内教育、人材育成の分野を学ぶために人事系コンサルティング会社に入社。その後、外資系大手通信会社に転職し、世界規模で展開する企業の教育や世界における日本の立ち位置、多様性などを肌で感じる。在職時に副業として、子ども向け英会話スクールなどの運営等も携わり、子どもたちの可能性や才能の豊かさに触れる。35歳を機に退職し、教育分野での起業を決め、株式会社グローレンを創業。現在は、教育格差問題や地域活性化など様々な社会課題を「事業を通して解決する」ため多数のプロジェクトを行っている。

■及川 政孝(おいかわ まさたか)さん
株式会社シーエフエス 取締役/子別指導塾Abilis 代表
学生時代は勉強嫌いでずっと座っていることができず授業を妨害するのは日常茶飯事。「なんで勉強するの!?」と常に思っていた問題児。社会人になり約10年間で延べ1万人の経営者と出会い社会で必要な力は学校の成績とほとんど関係ないことを知る。様々な学びをする中で”学び方”というものに出会い勉強嫌いが無くなった経験から幼少期から「なぜ学ぶのか?」そして「どのように学ぶのか?」を身に付ける必要性を感じ学び方を伝える子別指導塾をスタート。その後公立中学校の学習支援授業にも関わる。その他日本各地に家庭内共育を浸透させるための講演会も開催中。【社会は企業がつくり 企業は人が創り 人格は家庭で創られる】のポリシーのもと事業を通じて社会課題に取り組む中小企業のコミュニティも運営し多面的な角度から持続可能な社会構築のため挑戦している。
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