【ノマドの働き方】インテル役員が独立して1年。「ノマドになって気づいた10のこと」:複数社で働くノマド生活を振り返る(後編)

退職してからの人生が長い時代、大企業の役員は退職後にどのような働き方をしているのでしょうか。ノマドワーカーとして、複数社で働くのも一つの選択肢です。 これまで「インテルで学んだグローバルリーダーシップ論」にて10回にわたり、インテルとIT業界での経験とコーチングの関係についてお話ししてきた筆者ですが、最後に、昨年インテルを退職してからの、自分のノマド生活についての感想と、準備に必要だと気づいたことなどを整理してまとめていただきました。

「ノマドになって気づいた10のこと」

後編では以下のうち6から10について取り上げます。
「ノマドになって気づいた10のこと」
1)固定費を下げる。損益分岐点を確認しておく
2)税理士に相談する。還付金やふるさと納税など
3)健康が一番大事。トレーニングと人間ドック
4)認知症予防には若い人とのコミュニケーション
5)営業の歩留まり(成約率)を測定する
6)ブログや記事寄稿で、発信する
7)今の顧客に集中する。口コミが最大の営業効果
8)仕事をする上でのルールを決める
9)小さい組織の仕事のやり方に合わせる
10)新しいことに挑戦し続ける

6)ブログや記事寄稿で、発信する

こちらのノマドジャーナルもそうですが、ブログや、記事寄稿など、自分の考えをまとめて、少しずつでも発信するのが非常に有効です。

当初は、自分のミッションや、会社の事業範囲などがしっかり決まっていないので、そこにじっくり時間をかけるまで発信を控える方も多いのですが、まずやってみて、発信したURLを見込客や、引き合いの客に送ったり、フィードバックをもらったりできるので、そこから営業につながることがあります。

また、自分の考えや思いを整理するコンテントとしても使えます。私も、2年間のブログ上で、コーチングの気づき、質問、キャリア、などを書き留めて約500本ぐらいのコンテントを作っていたおかげで、いろいろ参照例として素早く利用することができました。

これまで、インテルでのキャリアから、コーチングでの経験、ノマドとしての生活などを記事として発信してきましたが、振り返る非常に良いきっかけにもなりました。
また、このノマドの記事を参照してもらうようにしてから、コーチング、セミナー、顧問、出版などの企画が決まる際の大きな支援になっています。

7)今の顧客に集中する。口コミが最大の営業効果

当初は、新規顧客開拓のやり方がわからなくて、広告や、ビジネス交流会、セミナーなどに参加しましたが、効率がわからず、成果を出すことができませんでした。

自分では「コーチングは効果があり、よい結果が出る」と思っていましたし、楽観的な気持ちで考えていましたが、「コーチング」というサービス自体が、日本市場ではイメージが悪いのと、時期早性なのかと迷い、いいポジションがあれば再就職しようかとも考えました。

しかし「今の顧客に対してサービスの質を上げることに集中しよう」と考え、新規営業開拓は控えて、現サービスの付加価値向上に集中しました。コーチングしている時に、コーチングの仕方や、注意するポイント、プレゼン、無償で事業戦略のまとめなどを作りました。

暗黙知の明文化マニュアルを作ったりして、一人ひとりの顧客を大切におつきあいすると、その方の紹介で他の会社を、気軽に紹介してくれるようになりました。いわゆるクチコミが一番の営業効果がありました。マーケティング資料で、訪問営業した時と比べると10倍以上の効率で、かなりの確率で契約が取れる気がします。

8)仕事をする上でのルールを決める

当初は、ミッションや目標は変化しますが、基本となるルールを決めておくと決断が早くなりました。
私の場合では、「若い人に頼まれたら一度は会う」、「相見積もりされる仕事はしない」、「今の顧客を大事にする」、「自分が強烈に興味のあるセミナー・交流会・勉強会以外は、誘われても週末は行かない」、「自分が変わる気のないクライアントはコーチしない」などです。

9)小さい組織の仕事のやり方に合わせる

大企業でしたら周りの人がやってくれるような地味な仕事も自分でやらなければいません。「こんな仕事は自分にはふさわしくない。面倒くさい。」という発想になると、いくら能力があっても仕事になりません。

細かい事務仕事を前倒しでやったり、昔の実績や地位のプライドを捨て、小さい組織の仕事のやり方に自分を合わせる必要があります。
また、30年ぶりで、初めてWindowsから、 Macに変更してみましたが、使いやすさに驚いています。これまでやっていないことにトライすることも大事です。

10)新しいことに挑戦し続ける

コーチングは、これまで対面の1対1での、非常にアナログなプロセスで育ってきましたが、IT技術の進歩による、クラウド、ビッグデータ、AI、などと相性がいいのがわかってきました。

例えば、性格タイプ別の行動アドバイスや、習慣になりやすい仕組みなどを、過去のデータにもとづいた確率論で話すことで、HRテック企業としての変革の可能性が大です。
こちらに、私がインテルでこれまで経験した知見が活用できるのではないかということで、ワクワクしています。顧問の会社では、スマホ対応でのリーダーシップ行動チェックリストも始めましたが非常に評判がいいです。

ノマド生活1年で見えてきたこと

ノマドになってちょうど1年ぐらい経ちましたが、現在顧問が2社、コーチングをしている個人が10人、セミナーや講演が月1−2回、ベンチャーは5社ぐらいコンサルしています。
また、大学や研究所での講義の機会もあります。週3回ぐらい東京に来て実働2−3時間、平日は1日ゴルフ、1日報告書作成や、読書・体幹トレーニングをしています。一番の目標のゴルフのベストスコア更新とクラブでのメンバー予選を通りました。

損益的にも、つくばの家を事務所にして、固定費が低いので、単月度黒字になり、個人事業主ながら、後10年ぐらいは続けていけそうな気がします。
退職してからの人生の方が長い時代になったので、自分のノマドスキルを提供し、感謝してもらえる場を準備することは大変大事だと思います。

今後も、高田純次さんのように、「威張らず、昔話をせず、説教しない」ことに気をつけて、自分のスキルで、初心に戻って、若い人を支援することで生計が立てられれば、それに勝るものはないと思う今日この頃です。

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